JR各線を巡る旅の記録

31 小海線 1日目


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2000年11月4日
【金沢】4:04発−(急行きたぐに)→【直江津】6:22着、6:56発−(普通)→【妙高高原】7:51着、8:38発−(普通)→【長野】9:18着、9:42発−(普通)→【上田】10:21着、10:54発−(普通)→【小諸】11:12着、12:06発−(普通)→【野辺山】14:02着、14:39発−(普通)→【小淵沢】15:23着、16:26発−(普通)→【南松本】17:29着
いつもの調子で、さっと乗り換えると松本に15:10に到着することができた。しかし、所々でおりて、駅の周りを歩いたり…、ということをしていた。山の中が多く、紅葉がきれいであった。

●金沢−直江津(北陸本線)

 急行「きたぐに」に乗るのは久しぶりである。4年前に、九州へ何度か行っていたときに乗ったとき以来で、新潟行きは7年前の北海道へ行ったとき以来のような気がする。というよりも、急行列車を含む優等列車に乗ることも珍しい。今回は普通列車でもよかったのだが、駅で降りてみて、外を歩く、ということを重視したため、早く出て、しかも、日帰り可能なものをわざわざ1泊するということにしてしまったのである。

 3時少し前に、目覚ましよりも若干早く起きる。最近、割と目覚ましがなくても大丈夫である。しかし、何があるか分からない。目覚ましをセットしておくことに越したことはない。そして、早朝、というより深夜の道路を自転車で走っていく。仕事をしていてこの時間に帰宅、ということも何度かあったので、特に珍しい時間ではないが、やはり少し遅いだけの夜とは違った趣がある。星がきれいである。

 時間が時間だけに、例によって日本航空ホテルの裏に自転車をとめる。そして、少し歩いて金沢駅の東口からホームへ行く。改札口には何か貼り紙がしてある。運転停止か、と思ったのだが、発車の20分ほど前まで、改札をしませんというものであった。そりゃそうだろうと思う。いくら自由改札の金沢駅とはいえ、列車が来ない時間まで改札をする必要はない。それよりも、きっぷ売り場は閉まっていた。おそらくきっぷ売り場は開いているだろうから、きっぷを買う予定ではなかった。しかし、前日(数時間前)に、会社の人と食事に行ったついでに駅によってもらってきっぷを買っておいた。それでよかったようである。

 時間が来て、改札口に駅員さんが来る。「おはようございます」と言っている。やはり、深夜ではなく早朝なのである。ホームへ行く。信号の扱い所がホームにあったということは普段は気づかない。普通列車の場合、3両で、せいぜい6両、昼間の特急でも9両であり、急行きたぐにの12両は珍しい長さである。そのため、1両目(大阪方)にある自由席に行こうとすると、ホームの普段行かないところまでいかなくてはならない。そのため、いつもと違った金沢駅を見ることができる。

 7番ホームを貨物列車が通過する。自動放送がキチンとなっているということがけなげであるが、前から気になっている「危険ですから、足下の黄色い線まで下がりなさい」という放送があった。

 そうしているうちに、まもなく列車が来るという肉声放送。若干乗車位置がずれるらしい。この時間なのに、1両2〜3人は列についている。そして、自動放送が入り、しばらくして急行きたぐにが到着する。グリーン車はとても空いている。何となく古さが感じられるが、趣があってよい。乗ると、ほとんどの人が寝ている。夜行列車なのだから仕方がない。当然、ボックスシート丸ごと空いているということはないが、1人だけというところがあり、割と行儀よく寝ている人の斜め前に座らせていただくことにしよう。

 座ってしまうと、よく慣れた椅子である。その通りで、この形の列車を改造したものが、北陸本線を普通列車として走っている。そちらの方は寝台になることはないのだが、座ってみると座り心地は同じである。そうして、よく通るところを走っていく。減灯はされていないのだが、外が暗くてたまにある明かりは目立つ。北陸本線から北陸自動車道金沢東インターが見えるということははじめて知った。例えば21時頃に列車に乗るときと違うことは、各駅が真っ暗であるということである。そのため、今駅を通過している、ということは注意していないと分からない。一応、検札は新しく乗ってきた人に対して駅ごとに行っているようである。駅停車ごとに車掌さんが車内を巡回している。

 当然ながら放送がないまま、高岡・富山と停車していく。富山でボックスシートに1人で座っていた人が降りたので、そこの座ることにする。富山駅を出ると、始発のサンダーバードのための回送列車とすれ違う。この列車は、全国的に見ても昼間の列車としては始発駅を出発する時刻が早い。富山までは特急並の停車駅であったが、そのあとは急行らしくこまめに停車していく。

 結局眠ることなく、泊を過ぎる。そして、越中宮崎を通過して、何となく山の形が分かってくる。ようやく日の出のようである。糸魚川あたりで確実に朝になったようである。そうして、頸城トンネルなどを通過して、「鉄道唱歌」のオルゴールともに、車内放送が始まった。夜行列車が朝の列車になる瞬間である。直江津に到着する案内と、洗面所は譲り合って、貴重品に注意して、などと言っている。やはり早朝列車ではなく、夜行列車であった。

 そうして直江津に到着する。いつもこの駅へは普通列車で来るのであるが、その時ははずれたホームに停車する。今回はそうでないホームであるが、何しろ12両編成の最後尾。いつも普通列車で到着するところよりも更にはずれていた。

●直江津−篠ノ井(信越本線)

 結構時間がある。本来なら駅の外へ出るところだが、前回、十分に観察してしまっている。それに、改札を出ると急行券まで回収されてしまうため、そのままホームにいることにした。信越本線のホームに行く。この駅は橋上駅になってからある程度の自動放送が始まっている。ただ、私の聞きたい「○○方面」という自動放送がない。とりあえず、肉声の放送分を数個、聞いたものをメモする。このあたりの駅ならだいたい押さえているのだが、駅員さんの発音と放送装置の関係で聞き取れないものがいくつかあった。

 発車する少し前に列車が来る。最近、この区間は快速「信越リレー妙高」という長い名前の快速に乗る機会が多くなったが、まだその時間ではないため、普通列車となる。始発が犀潟のようで、すでに何人もの乗客が乗っている。ほとんどが高校生で、よく考えると今日は高校等は休みではないのである。

 中の広告を見ると「びゅうタウン佐久中込」という、新興住宅の広告がある。「びゅう」ということは当然JR東日本。JR東日本は不動産も手がけているようである。しかも今から行く小海線沿線。

 この区間は、以前、詳しく見た(つまり、メモをとりながら乗った)ことがあるので、今回はメモをとらないつもりで乗っていたが、新井以降、結構メモをとってしまったので、それを反映させる形で書いていくことにする。

 直江津を出て、複線の北陸本線と別れ、単線の信越本線は山の方へ向かっていく。太陽の光が反対の窓から入ってきているのだが、それがこちらの窓に反射して、こちら側にも太陽があるようである。高田では乗っていた高校生が多く降り、代わりに一般客が多く乗ってくる。右側に見える山が茶色い。紅葉の季節である。今回はこのように、紅葉を多く見る旅となってしまった。とにかく、少し離れたところに茶色い山を見て、水田と住宅の中を走っていく。大きい石油化学系の工場があり、貨物の引き込み線があって新井。

 新井を出て、少しだけ山に入っていく。渓谷的なところになり、紅葉が間近に見える。一瞬、ため池が見える。そこに紅葉が映っている。広いところへ出る。少し住宅の中を走って停車する。そして反対向けに走る。スイッチバックである。その時、逆方向へ向かう列車とすれ違う。ほぼ同時にその列車と二本木駅に入る。この、スイッチバック駅でのすれ違いというものはどういうメカニズムなのかよく分からない。その後は、住宅地から水田になって行くが、進行方向へ向けて山を登っているのが分かる。段差のある水田である。そうしてきれいな紅葉の山が近づく。前方には低い雲がかかった山が見える。そうして関山。この駅もスイッチバックの駅であったはずであるが、解消されている様子。関山から山の中を走るが、右側の妙高山をはじめとする山々から流れてくる川が、滝のようにして落ちてきて、その後、線路の下を通っている。その部分が渓谷のようになっていて、紅葉がきれいである。一瞬しか見えない景色であるが、なかなかの景色である。そうしてそういう川を2つほど見て、妙高高原に到着する。

 ここで一旦降りなくてはならない。今回、この駅まで普通乗車券で来たのであるが、ここから「信州ホリデーパス」という、JR長野支社管内・しなの鉄道の普通列車乗り放題(特急券があれば特急も可)のキップを使う予定なのである。このキップはたしか、その範囲内でないと買うことができなかったはずで、自由区間が始まるこの駅でキップを買う必要があったのである。といって、キップがなかったら困るのだが、それはきちんと買うことができた。それでも40分以上、時間がある。とにかく、外へ出る。おみやげ物屋がいくつかあるという、ありがちな駅である。

 それで、すこし線路に並行して歩いてみる。すると、山の方へ向かうきれいな直線道路があった。一方的に上りの道であり、そのまま山につながっているようである。思わず、その道を歩いてみる。前を見ると、雲に囲まれた妙高山がある。それが、朝日に当たり、とてもきれいである。そのまま上っていくと国道につながっているようであるが、きりがないので適当なところで切り上げ、再び駅に戻る。そうして、朝食を、と思ったが、うどん屋がない。売店にも少しのパンしかないので、仕方なくそれを買う。少し大きいと思ったが、2つで420円というのは高いと思った。それと、自動販売機でココアを買い、それで朝食とする。

 次に長野まで行く列車はこの駅始発である。折り返しの時刻を知っていたので、それに合わせてホームへ行く。列車自体は普通に走っているものであるが、中を見るとすべてロングシートに改造されていた。ロングシートは景色を見るというよりも、中の人々を見る列車である。どうも、ロングシート車での記憶は、景色よりも乗っていた人の状況、というものが大きい。逆にクロスシートだと、直接向かい合わない限り、他にどんな人が乗っていたか、記憶にない。

 妙高高原を出て、紅葉のきれいな谷を通る。さっき、前方に低い雲が見えていたが、どうやらその中に入ったようで視界が悪くなる。黒姫を出て、住宅地などが続く。少しだけ山になったが、また住宅になり古間。この間、坂を下っているようである。そうして、大きい川のある谷にそって走る。例によって紅葉である。広いところに出て、住宅が増える。少し広くなった川に沿い、牟礼。広いところから、道がそっている、川がさっきよりも広い渓谷的なところを走り、住宅の多い谷に出てくる。そして谷が広くなり、リンゴ畑も広がり豊野。リンゴ畑が広がる。住宅地もある。袋がかけられたリンゴもある。そうして三才。住宅が増え、新興住宅もある。新幹線が並行する。そして北長野。並行する新幹線の高架がときどき低くなる。そしてこの在来線と同じ高さになる。どういうことかと思ったら、陸橋の下をくぐっているのである。新幹線が市街地を走るときは、陸橋よりも更に高い高架にするのだが、ここはケチな新幹線、ということで、低くする方を選んだようである。市街地になってきて、新幹線がオーバークロスし、ビルが多くなる。そして、長野に到着する。

 長野駅は、旧駅舎の時に1回来たことがあった。新幹線が開業してから、この駅に来るのは初めてであるが、きれいになっていた。数ヶ月前に行った秋田と同様、以前の駅を思い出すことができなくなっていた。この駅は、天井が透明な部分もあり、空がきれいに見える。当然、橋上駅にもなっている。秋田駅もそうだが、新幹線といっても最近は必ずしも高架でないため、こういう形の駅が増えているようである。

 駅をしばらく眺めてから、しなの鉄道のホームへ行く。しなの鉄道は、本数が多いため、割と自由に乗ることが出来る。ちょっとやる気のなさそうな自動放送を聞きながら、列車を待つ。入ってきたしなの鉄道の列車であるが、信越本線の普通列車そのものを、少しだけ変えたようなものだった。JRの気分である。ただ、車掌の制服が、やはりJRと違っている。

 長野を出て、市街地から住宅地になり安茂里。新幹線が沿って走る。住宅地から川を渡り、再び住宅地。新幹線は沿ったままである。そうして川中島。住宅地と田畑、リンゴ畑があり、新幹線が並行する。少し団地があって今井。同じように住宅地と田畑、リンゴ畑があり、新幹線が並行し、住宅が増え町になる。新幹線は在来線と同じ高さを走り、篠ノ井に到着する。一応ここまでJRであり、ここから新幹線開業によりJRに見捨てられたしなの鉄道となる。駅名板も、しなの鉄道の方は少し色が変わっている。また、松本方面の篠ノ井線と間違えて乗って、すぐに降りた人がいた。

●篠ノ井−小諸(しなの鉄道)

 篠ノ井からは「しなの鉄道」になるのだが、もともと同じ線であったので、特に変わったことはない。並行する新幹線が低くなったが、こちらも低くなり、新幹線の方がオーバークロスする。そして千曲川を渡る。しばらく水田と住宅が混じったところを走る。新幹線がオーバークロスし、左側に山が迫ってくる。紅葉が混じっている。そして屋代。JR東日本的な発車メロディーが聞こえる。このあといくつかの駅で聴くことができた。

 山に沿ったところを走る。段差はない。この、盆地から急に高い山になっている、という景色は以前ここがJRだったときに乗ったときの印象として強く残っているが、この景色を見ると信州にいるな、という感じがする。私の頭の中にある、その地方独特な景色、というものに挙げられているものである。左側はそのような山であるが、右側は住宅である。そうして戸倉。この車両はJRを走っているものと同じ水色の車両であるが、しなの鉄道用に塗り替えられた赤色の車両がたくさん停車している。山に沿って走りトンネルへ。少し山を離れ坂城。住宅と田畑が混じりテクノさかき。きれいな駅である。しばらくして山が迫ってきて、ときどき崖がある。住宅があり西上田。左側の山から新幹線が出てくる。この独特な景色は新幹線で見ることができないようで、ほとんどがトンネルになってしまうようである。そして上田に到着する。

 そのままこの列車に乗って、小諸から小海線に乗り換えてもよいのだが、今回は時間があるので一旦上田で降りることにする。橋上駅になっていたが、通路上に駅の入り口がある。一旦そこを出て、通路を歩き、JR東日本上田駅、つまり新幹線の駅に行くという形になっている。全く別会社なのである。さらに、その通路には上田交通の入り口もあり、3社、全く別の入り口を持つ駅となってしまった。自由通路を抜け、裏には市管理であろうトイレもあり、そのうえ、自由通路内にどの会社管理か分からないが、トイレがあった。ちょっと複雑な面白い駅である。

 そして、時間もあるので駅の前を歩く。商店街は、駅から離れるにつれて上り坂となっている。そういうところを少し歩く。もう、クリスマスの音楽が流れている。クリスマスまで2ヶ月弱ある。ということは、1年の6分の1、この音楽がなっているということになる。つまり、クリスマスの音楽でなく、季節BGMなのである。

 駅に戻り、ホームへ行く。かなりの乗客が待っている。30分に1本というダイヤであるが、結構しなの鉄道の乗車率は高いように思われる。新幹線のホームは建物の中に入っているが、自動放送が聞こえる。そうして、こちらにも列車が入ってきた。上田を出ると、新幹線がオーバークロスし、住宅や店などがあり、大屋。左側は山に沿い、右側は住宅地と水田であるが、住宅地と畑になる。少しだけ千曲川に沿う。走っているところに段差が出てくる。そうして田中。左側が住宅が多くなり、右側は畑と住宅地。千曲川に沿って走り、滋野。段差が大きくなる。左側が段差があり畑と住宅地。右側は少し低いところに川が流れている。そして、住宅や水田をかなり高いところから見下ろしている。前方に、この線路と同じ高さで町が見えてくる。つまり、見下ろしている住宅・水田より高いところに町があることになるが、その町の中に入っていき、小諸に到着する。

 小諸駅は、新幹線が通らなかった駅である。佐久平に取られてしまっている。そのため、駅自体はしなの鉄道の駅となっている。そして、駅前の一角にJR東日本のきっぷ売り場があるという形になってしまった。この駅でも少し時間があるので、商店街を歩く。やっぱりクリスマスの音楽が聞こえ、更に、駅から離れるにつけ上り坂になっている。そういう駅の表を歩き、今度は通路を歩き裏へ。小諸城趾懐古園がある。中に入ると入場料を取られるし、特に興味がないのでその前を適当に歩いて雰囲気だけ味わっておく。そうして駅に戻る。

●小諸−小淵沢(小海線)

 新幹線が来なくて、本線の方が第三セクターになってもホームは賑わっていた。しかも、今日は学校が休みにならない土曜日であり、高校生も多くいる。早めにホームへ行ったため少しホームで待ったのだが、かなり人が多かった記憶がある。

 列車が来て乗る。高校生も多い。ここから、小海あたりまで高原列車というよりも普通の路線、地味な路線という感じである。そういうところを少しずつ上っていき、小海あたりからだんだんと高原列車の雰囲気が出てきて、野辺山−清里間で高原そのもの、という感じになる。そして、さっと下っていき、小淵沢に至る、という路線である。これで小海線おしまい、とすると寂しいので、いつもどおり沿線の景色を書いていくことにする。

 小諸を出ると信越本線(しなの鉄道)と住宅地の中を並行する。そして、別れずに、隣にしなの鉄道の線路があるところで東小諸。リンゴ畑がある。しなの鉄道と別れたと思ったら、また並行し、乙女。ここを出るとすぐに方向を変え別れる。住宅と畑がある。材木工場の前で三岡。変な段差があり、高さが一定しないところを走る。紅葉の林、田・畑・住宅や工場がありとにかく一定しない。そして美里。赤い葉が落ちていてきれいである。水田の中になぜかはざかけが残っている。林や畑があり、住宅もあって中佐都。住宅の中を走り、そして急に高架になる。結構きつい坂を上り、結構高くなる。そして、日本でもここだけ、という景色になるのだが、新幹線をオーバークロスする、ということになる。普通は在来線が下になるが、ここではとにかく低予算で作った新幹線のため、手っ取り早く在来線が新幹線をまたぐこととなった。新幹線の駅を見下ろし、佐久平。かなり多くの乗客が乗ってくる。こんな感じで、出発してしばらくしてから新幹線の駅になり乗客が多く乗ってくる、というのは釜石線の新花巻駅でも見た。何となく似ている。

 佐久平を過ぎて、すぐに大きな店が建ち並んでいる。新幹線の駅前で、新しい店が続々とオープンしたようである。土地も広いし。そういう、新しい店が続々オープンしているところは家の近くにもある。そして、さっと高架を降り、住宅になり岩村田。このあたりで標高700m台である。住宅や畑、林が混じり、北中込。新しい駅である。少し町になり、リンゴ畑も混じり水田のあるところで滑津。なんか富山の魚津と滑川を合わせたような駅名であるが関係ない。水田の混じった町を走り中込。車庫がある。

 中込を出ると、水田と住宅の中を走る。なぜかはざかけもあるそして太田部。左側に水田が広がる。住宅があり、龍岡城。左側が水田で臼田。かなりの乗客が降りて行くがそれでも混んでいる。ここで標高695mさっきよりも低くなっている。

 臼田を出ると左側が水田で、少し離れて山がある。右側は住宅のようである。そして青沼。同じようなところを通る。山の紅葉もきれいである。そうして羽黒下。火狩り側にも住宅がある。その他田や林などがあり、海瀬。右側は住宅で、左側は山が迫っている。そして八千穂。ここで標高780m。同じようにして山が迫ってきながら高岩、馬流と過ぎて小海。この書き方でお分かり頂けると思うがかなり睡魔におそわれている。景色も地味である。

 小海を出ると数人立っているだけの車内になる。右側は川に沿っているようであるが、それが左側に来る。この川が千曲川で、新潟県では信濃川となるが、新潟あたりから信越本線・上越線・飯山線・再び信越本線・しなの鉄道・そしてこの小海線というように、鉄道的には結構見ることができる川である。このあたりではかなり上流になり、飯山線から見る千曲川とは明らかに違うものになっている。川の部分は深い谷になっていて、対岸に住宅と水田がある。護岸されているが岩がゴロゴロしている。谷になって行くところで松原湖。川に沿った狭い谷に紅葉で、葉が舞っている。そして坂を上っていく。谷の中に少し住宅があり海尻。

 海尻を出ると、少し谷が広がり、住宅が混じる。きれいに紅葉をした山が広がっている。少し緑色も混じっている。葉がない木もある。青空と太陽の光の当たり具合、そして手前に護岸のない川が流れていて、素晴らしい紅葉の山が見えている。車内からも「きれい」という声が聞こえる。本当にこの景色はこの季節しか見ることができない。そうして住宅があり佐久海ノ口。出てすぐ、二車線のまっすぐな道路が紅葉の山の中へ消えていく。谷が狭くなる。深い谷に川が流れている。紅葉の葉が浮いている。ときどきトンネルがある。そして河原の広がっているところで佐久広瀬。谷が広くなり田や住宅が混じる。トンネルを抜け更に広くなり、少し町になり信濃川上。町を見下ろし、高くなる。少し川を見下ろして山の中へ。このあたりで千曲川とも別れることになる。これから少し山に入り、源流となるのだが、鉄道から見ることができる最も上流がここである。下流は越後線を渡るときということになる。そうして、山を登ったところで畑が広がる。なだらかな山が横や前にある。もう、高原の景色である。畑も「高原野菜」と呼ばれるものである。しばらく畑の中を走る。林の中の小川を見下ろし、林を抜け、畑の中を走る。そして野辺山に到着する。この列車はこのまま小淵沢に行くのだが、しばらく待つとこの駅始発の小淵沢行き臨時列車がある。それに乗ることにして、ここで降りることにする。

 駅に降りてみると独特な景色である。天気もいい。前方に八ヶ岳がきれいに広がっている。いかにも高原、という感じのおみやげ物屋の前を通り、道路を横切る。交通量も少ない。トラクターが走っている。とてものんびりした景色である。そうして少し歩く。前方の畑・トラクターと、きれいな八ヶ岳、そして青空という、何ともいえない景色であった。においも堆肥のにおいが広がっていて、またよい。しばらくそういう景色を見て、駅に戻る。少し時間があるが適当に駅の掲示物を見て、そうして、折り返しの臨時列車が入ってくる。あまり乗る人もいないようで、さっと乗ってしまったのだが、ドアが閉まってしまった。どうも一旦ドアを閉めるらしい。車内には運転手と私だけになってしまった。しばらくして運転手が通った。こっちを見ていたので「乗ってしまったんですが…」と言うと「いいですよ。小淵沢の方へ行くんですね。」ということで特に問題にならなかった。

 野辺山を出ると、乗客の少ない列車の中でワンマンテープの沿線景色案内が始まる。さっき降りた列車は結構乗客がいたし、野辺山でも結構乗ってきたので、この列車にしておいて正解だった。畑が広がり、右側にはパラボナアンテナがある。ドライブイン的な建物が多くあり、人が多い。ここがJRグループ最高地点である。そうして葉のない山の中に入る。小川が多く流れていて、下りになる。森の中を下っていく。そして、「野辺山高原」から「清里高原」となり、建物が多くなり清里。乗客が急に増える。何となく、賑わっていて、東京の延長という感じがする。個人的には清里高原より、野辺山高原の方が好きだと思った。

 清里を出ると店が多く、人が多い。軽井沢を列車で通ったときのようである。山の中にときどき別荘があり、下っていく。トンネルへ。抜けて川に沿った谷。そのうち谷底との高低差が広がる。別荘がときどきある。住宅が少し増え、甲斐大泉。山の中を下っていく。狭い道も並行している。少し住宅があり、甲斐小泉。住宅・畑がありそれが下に続いているが、雲がかかっている。雲を見下ろしているようである。山の中に入り、下っていく。そして畑に出てくる。高速道路に少しだけ並行する。山から水田になる。U字型にカーブする。さっきと左右の景色が逆になる。八ヶ岳も今まで右に見えていたものが左に見えるようになる。そして中央本線が合流し、小淵沢に到着する。

●小淵沢−塩尻(中央本線)及び塩尻−南松本(篠ノ井線)

 小淵沢の駅でも少し時間がある。今回は日帰りでも可能なものをあえて1泊にしたため、各駅でそれなりの時間があるのである。と言うことで今回も駅のまわりを適当に歩いてみる。その前に、昼食を忘れていたのでうどんを食べておく。この駅は結構主要駅だと思ったが、駅の前はさほど広くない。そして町自体も大きくなさそう、と思ってしまう。というのも、駅自体結構町の中でも高いところにあり、そこに向かって坂となっていて、その途中に商店街がある、という不利な造りになっているようである。そういうところを下ってみたり、上がって、線路の上の跨線橋を歩き、向こう側にいってみる。坂を上ると八ヶ岳がきれいに見えた。

 そうして早めに駅に戻り、ホームへ。11月なのだが、上田あたりで暖かくなってきたので、短パンになっていた。ということで、半ズボンで上田からここまで来た。ホームでもそういう格好でいたのだが、となりに座っていた高校生が、ジャージの長ズボンでは寒いらしく、風を通さないようなズボン、それをはいていた。そんなに寒いのだろうか。ホームの向かいがわに山がある。ちょうど太陽が沈む方向に山があり、ちょうど日がその山の影になるところだった。このあたりはそういう意味で昼間の時間が短い。

 しばらくして列車が入ってくる。編成も長いので、前の方だと結構空いている。小海線がUの字の線形で別れていく。そして、八ヶ岳にだけ太陽が当たっている。山へ。トンネルを抜け、再び長野県に戻る。住宅と谷を見下ろし、信濃境。車掌は女性のようであった。検札の来なかったので分からないが多分そうである。さもなくば、テープ?。山に入り、上っていく。山と山の間で、谷と川を橋で越える。右側にこの線の旧線らしきものが見える。少し町になり富士見。少し広い谷を下っていく。住宅を見下ろす。少し下がり、田と住宅を見下ろすところですずらんの里。下がってきて、谷の高さになる。田と住宅があり、青柳。田と住宅のある谷を下っていく。谷が広がり、住宅が増え町になってくる。高速道路がオーバークロスする。更に市街地になってきて茅野。市街地から住宅が続き、時計工場も見える。住宅と工場・店などが続き、市街地になり上諏訪。そして諏訪湖が見える。再び市街地になり下諏訪。ちなみに、茅野・上諏訪・下諏訪では独特な同じ発車メロディーが使われている。

 住宅が続き、高架になり諏訪湖が見える。降りて高いところに高速道路が走っているところの下を通り、岡谷。高架になり、旧中央本線を下に見てトンネルへ。抜けて少し住宅がありみどり湖。田と住宅がありそのうち高架になる。右側に住宅が多く、塩尻。このあたりで明るさの限界。もう景色が見えない。そういうところを走り、広丘・村井と過ぎ、宿の関係で南松本で降りる。

●南松本から

 松本駅前に都市型サウナがあるのは分かっているし、泊まったこともある。決して悪いところではない。しかし、今回は日帰り可能なものをあえて1泊したので、広い風呂のあるところに泊まりたい。ということで、健康ランドにした。

 地図もあまり正確ではないが、何となく歩いて、踏切を渡る。しばらく歩くと、交通量が多いのに信号のない交差点。結構苦労しているようだった。苦労するのはこちらだけでなく、歩いている側も。ちょっとの隙間で渡らなくてはならず、ヒヤヒヤした。その後は少し道を歩き、川沿いを歩く。そして国道19号線沿いに出たが、よく分からない。とりあえず、戻ることになるが線路の方に歩いてみると、健康ランドがあった。

 到着も早い。とりあえず風呂にはいる。そして、夕食を。焼き肉屋があったが、こういうものは一人ではきつい。もう一つ、ラウンジがあり、本来なら酒を飲むところだが定食も扱っているらしく、野菜炒め定食を食べる。そして、更に風呂にはいる。合わせて2時間以上だったと思う。飽きたところで、早めに仮眠室で寝る。

 翌朝はかなり余裕があったが、5時台から風呂に入る。起きてしまったものは仕方がない。朝としては異例の、1時間半も入ることになる。しかも途中で眠くなり、ウトウトしていた。そうして、少し早めに南松本駅に向かう。帰りは道を変えてみたのだが、着くことができた。


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