JR各線を巡る旅の記録

33 東北内陸部(1) 2日目要約


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 0日目・1日目 2001年7月19日・20日 
 【金沢】21:35発−(寝台特急日本海1号)→【秋田】5:29着、5:53発−(普通)→【大曲】6:42着、6:47発−(普通)→【盛岡】8:27着、8:35発−(普通)→【古館】8:51着、9:03発−(普通)→【矢幅】9:07着、9:28発−(普通)→【北上】10:04着、10:29発−(普通)→【横手】11:51着、12:11発−(普通)→【新庄】13:32着、14:16発−(普通)→【鳴子温泉】15:20着、15:40発−(普通)→【小牛田】16:52着、16:55発−(普通)→【仙台】17:40着
 本来は日本海3号で行く予定だったが、きっぷの都合で1号に。そのため、当初の予定よりも多く回ることになる。このあたりにしては結構順調な接続。秋田からジグザグに仙台まで。仙台では懸案だった「方面案内」自動放送を一部聴く。


●金沢−秋田(北陸本線・信越本線・羽越本線)

 今回は寝台列車で出発。いつもは朝早いのであるが、今日は仕事が終わって、そのままバタバタして駅まで来たという感じである。こういうのも効率的なのかも知れない。

 列車に乗り込む。なぜか、下段を取ることができた。1ボックス4人、私が最後に乗り込んだ客であった。斜め上の人、おそらく中学生の女の人であるが、携帯電話で話をしている。列車自体は古くからある列車。室内設備も旧態依然としているが、乗客が持ち込むものは進化しているのである。

 最近、寝台車は旅の終わりに使うことが多かったが、今回は旅の始まり。あまり眠れない。直江津まではウトウトすることもなかった。ちらっと外を見ると、どのあたりを走っているのか完璧に分かる。昼間の列車と違って、車内はある程度暗いので、夜景を見るのはちょうどよい。少しウトウトして、新津を過ぎると目を覚ます。水原あたり。水田が広がっている。稲穂が揺れている。時々ある踏切の赤いランプがまぶしい。夜の水田。昼間の列車が、日没後、電気をつけて走っていると、見ることのできない景色である。夜行列車ならではの景色。再び目を覚ますと、今度は海岸沿い。笹川流れの付近である。夜の海を眺める。

 次に目を覚ますと、日が明けていた。羽後本荘に停車。この1日を通してこのあたりだけだったのだが、雨が降っていた。そうして、眠ることなく秋田に到着する。新幹線などもあり、新幹線に関しては自動改札もある。近代的な駅になっている。一旦、改札を出る。次の土崎までのきっぷにしてあるので、普通乗車券だけは回収されない。寝台券だけ渡す。そして、ここから18きっぷ。日付を入れてもらい、再び入場。

●秋田−大曲(奥羽本線)

 ここから、ロングシートの電車。加速もいいし、悪評ほど悪い列車ではないと思う。この列車のドアが閉まるときの音を聞くと、東北へ来たと思うようになってきたが、JR東日本全域で聞くことができるみたいである。

 秋田を出て、複線なのだが、当然のことながら片方は新幹線。ここから大曲まで、複線のようで、実は単線2本という形が続く。

 住宅地から水田、そして山に入っていく。大張野駅は、駅舎は新幹線側にあった。そのため、在来線に乗るためには、必ず跨線橋を渡らなければならない仕組みになっている。水田の混じる山の中を通る。羽後境で新幹線が追い越していく。待避待ちという概念はない。そのうち、山ではなく、水田の広がるところになり、市街地になってきて大曲に着く。高校生が多く乗ってくる。高校生曰く「今日は普通の人が多い。」と。高校生以外の人が「普通の人」のようであった。

●大曲−盛岡(田沢湖線)

 大曲から、標準軌対応の普通列車に乗り換える。外からの見た目は同じなのだが、一部分にクロスシートがある。最初は、少し混んでいたのでロングシートの部分に座ったが、途中からかなり空いてきて、角館からクロスシートに座る。椅子は堅かった。

 この区間、普通列車で直通するのは至難の業で、わずか一駅なのだが、田沢湖駅と赤渕駅の間が、ほんとうに少なくなっている。例えば、この列車の次は15時台なのである。

 それにしても、まだ6時台。この時間からこうやって「乗りつぶし」ができるのも、夜行列車で早朝に秋田駅に到着したおかげである。いつもなら、健康ランドで風呂に入っている時間。ないしは、早朝に金沢を出るなら、富山あたりで乗り換えている時間である。

 大曲から水田と住宅が中心。市街地になって角館。高校生が大量に降りていく。それにしても、高校生も朝が早いものである。

 その後は水田が広がる。住宅と畑も混じる。次第に山が近づいていく。神代(じんだい)を過ぎると、山に入る。線路と道だけの谷を、カーブの連続で切り抜けていく。よく考えるとこの線路、「秋田新幹線」なのである。そうしてさらに山を走り、それを抜け、水田と住宅、住宅が増えて田沢湖に到着。12分停車するので、ちょっと駅前へ行ってみる。新しい、きれいな駅舎になっている。ガラス張り。

 田沢湖からは運転本数が少ない区間。この区間を普通列車で通り抜けることができることがすごいことなのかも知れない。谷から山へ。渓谷的な谷。途中の信号所で、時間調整のために停車する。信号所のある新幹線…。長いトンネルを抜けると、川の流れる方向が変わっていた。いくつものトンネルを通る。少しガラスが曇る。さらに下っていき、赤渕。その後は水田と住宅、畑。しばらくそういうところを通り、町になってきて盛岡に到着する。

 盛岡の駅でホームを歩いていると、さっき向かいに座っていた人に呼び止められる。携帯電話を椅子においたままにしていたらしい。というか、ポケットから落ちていた。わざわざもってきていただいて、大変有り難いことである。

●盛岡−北上(東北本線)

 北上からの北上線接続で、盛岡か北上で時間を潰さなければならない。しかしながら、去年、このいずれの町でもカプセルホテルに宿泊しているくらいで、わざわざ眺めることもない。ということで、ちょっと途中の駅をいったり来たりして、いくつかの駅で降りてみることにする。

 盛岡から市街地を通る。一旦新幹線と離れ仙北町。この駅では降りなかったが、新幹線の影響を受けていないため、駅舎は古いままである。そうして、一旦、古館、そして戻って矢幅。この2駅で降りてみる。新幹線の高架橋の影響で、建て直された駅。あじわいはなくなっている。矢幅駅の近くにあるコンビニで、ようやく朝食を食べることができた。 そうして、去年よく見た花巻を過ぎて、北上に到着する。

●北上−横手(北上線)

 北上から、市街地を抜け、水田と住宅。江釣子駅のあたりは、新興住宅が多い。少しずつ山が近づいていく。横川目・岩沢と、使われなくなったホームのある駅が2駅続く。岩沢を出て、山が深くなってトンネルへ。抜けて、谷を見下ろして和賀仙人。再び山に入る。トンネルの隙間で、きれいな川の支流や、ダムの断片を渡る。そして湖。この北上線のハイライトである。ゆだ錦秋湖を過ぎ、ダムを鉄橋で渡る。広くなった川を渡る。どこまでがダムで、どこからが川かよく分からない。そうして、住宅が多くなり、ほっとゆだ。

 しばらく水田を通るが、再び山になる。小松川を経て下りになる。どんどん下っていき、平石を過ぎ、谷。水田と住宅のある谷を下り、住宅が増え、市街地になってきて横手に到着する。大曲から遠回りして横手に来たのだが、奥羽本線の大曲−横手間に乗る時間はない。これはまたの機会ということで。

●横手−新庄(奥羽本線)

 横手から、水田の中を走るが、住宅は途切れることなく続く。湯沢でかなりの乗客が降りる。1両目にはこの列車、クロスシートがあるのだが、そちらはある程度乗客が乗っている。2両目のロングシートのみの車両には5人だけ。「混んでいるクロスより空いているロング」という、今作ったような格言?の通り、空いている車両にそのままいることにする。

 水田が多いがリンゴ畑も混じる。そうして両側に山が近づいている。山が近いが水田が広がっているという、独特な感じ。こういう景色もこのあたりの特徴的なものなのだろう。院内を経て、谷から山になってくる。木だけの谷になり、トンネルが多くなる。真室川を過ぎ、少し川に沿う。そして、水田が広がってきて泉田。町になってきて新庄に到着する。

 新庄駅は新幹線が延伸されたこともあり、新しい駅になっている。5番線まであるが、標準軌線路・狭軌線路がそれぞれ行き止まりになっているので、跨線橋・地下道なしで乗り換えることができるような構造になっている。

●新庄−小牛田(陸羽東線)

 秋田から仙台まで、ジグザグに進んでいるが、ここから、ほんとうに仙台を目指すことにする。JR東日本は、非電化区間になるとクロスシート車になる。JR西日本の、特に中国地方と比べると逆である。

 奥羽本線と完全に別れる前に南新庄。カーブして別れ、山に入っていく。山を登っていく。谷に温泉街があり、瀬見温泉。その後は少し水田であるが、鵜杉を過ぎると山へ。それを抜け、大堀から少し水田が広がる。住宅も混じる。赤倉温泉まで平坦なところを走る。赤倉温泉から少し山に入るが、住宅地。堺田で「分水嶺」の看板。その通り、その後はひたすら山を下りていく。温泉街へ下っていき、鳴子温泉に到着。

 ここで乗り換え。少し時間があるが、温泉に入る時間はない。鳴子温泉を過ぎ、温泉街を通り鳴子御殿湯。ちょっとこの駅のある場所・構造が気になった。いずれ再訪してみた駅である。少し下った後、水田と住宅が続く。塚目駅では、きっぷを集めている車掌の背中にセミがとまっていた。市街地に入り、新幹線が見え古川。そして、水田・住宅が続き、小牛田に到着する。

●小牛田−仙台(東北本線)

 ここから、ちょっと乗り慣れた列車。新しい列車ではなく、北陸本線と同じ、急行列車改造型。しかも、結構空いているので落ち着く。

 小牛田から、水田と住宅なのだが、軽く山を越えたりもする。鹿島台あたりは新しい住額が多い。リアス式海岸を見たり、山沿いに新しい住宅があったりと、結構忙しい景色である。松島駅はホームに岩がある。そして、仙石線が並行する。

 塩釜を過ぎ、市街地になってくる。そうして、仙台に到着したのだった。

●仙台で

 ちょっと気になっている「方面案内」放送。行き先によって、自動放送で、微妙に違う駅を並べているということで、この駅に以前から来たかったのである。どちらかというと「乗りつぶし」はそのおまけみたいなものだった。

 ということで、夕方以降の仙台駅発車の各普通列車を、行き先毎に調べていた。計算上、全部の行き先を聞くことができるはずだった。

 しかし、ちょっとマイナーな行き先になると、行き先を言わない放送。ということで、途中からどうでもよくなってきたこともあり、ある程度メジャーな行き先を聞いただけで、終わることにした。

 カプセルホテルへ。このカプセルホテルも、風呂が極端に狭い。ということで、疲れていたこともあるのだが、何となくブルーにもなってきて、この日は早く寝ることにしたのだった。


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