1日目 2001年8月12日
【金沢】6:26発−(普通)→【長浜】10:00着、10:13発−(新快速)→【明石】12:20着…(徒歩)→【明石港】12:45発〜(「たこフェリー」)→【淡路島・岩屋港】13:05着、13:20発−(淡路バス 北淡町経由)→【淡路島 津名港】14:35頃着、15:00発−(淡路バス 高速バス)→【高速鳴門】16:20頃着…(徒歩)→【鳴門】17:06発−(普通)→【徳島】17:49着、18:18発−(特急 うずしお24号)→【引田】18:47着、18:53発−(普通)→【高松】20:13着、20:17発−(普通)→【宇多津】20:58着
徳島までの行き先、例えば和歌山経由など、考えていたのだが、淡路島を回っていくことにした。しかも、普通に舞子から高速バスで通りぬけるのではなく、淡路島の中を路線バスで通り抜けるというもの。岩屋から津名港までのバス、遠回りする系統に乗ってしまったが、着くことができた。そのあとの高速バスもダイヤ改正で鳴門駅に行かないため、予定の接続ができず、徳島で宿泊と思われたが、その日は阿波踊りの日。とにかく香川県まで行ってしまうことにした。
よく乗る列車。大学の時、通学でも利用していたこの列車。今回もこの列車で西へ向かうのであった。いつものとおり、福井で乗客が少なくなり、北陸トンネルを通っている間に、切り離される車両から、その先へ行く前3両へ乗り移る。近江塩津・余呉を過ぎて、乗客が増えてくるのもいつもどおり。そうして、いつもどおり長浜で乗り換える。
新快速で大阪を過ぎる。明石海峡大橋が見えてきた。いつもは姫路まで行ってしまうのだが、今日は明石で降りる。ここからがいつもと違うのであった。
明石駅で降りる。高架の駅。確かこの駅で一度降りたことがある。高架のコンコースを通ると、山陽電鉄ののりば。結構大きい。そうして、外へ出て、そのまま商店街を歩く。よく、降りたことのない駅に降りて、こうやって商店街を歩き、どこかで引き返すことがあるのだが、今日はそのまままっすぐ行く。商店街が終わると、橋を渡り、港が見えてくる。淡路島へ行く船が出ているのりば。
きっぷを買い、しばらくして乗船。暑いのでわざわざ客室に入らなくても、涼しい風が吹く。風に吹かれながら、本州の陸地が離れていく。前方にはすでに淡路島が見えている。本州が離れていき、明石海峡大橋の真下を通る。ほんとうはこの上を通るバスでもよかったのだが、やはり海の風を受けるなら船であろう。そうして、淡路島がさらに近づいていき、岩屋港に到着する。
とりあえず岩屋港に着いてから、バス停まで歩く。岩屋港の前にもバス停があるのだが、バスターミナルのようなものがちょっと離れたところにあるらしい。そこまで歩く。ちょっと町の中を歩き、バスターミナルがあった。それにしてもバスが多い。団体用バス、高速舞子行きバスなど。ちょっとウロウロしたあと、「津名港」行きのバスがあった。目的地は津名港。これに乗るのである。
と思ったのが間違いであり、ほんとうは「津名港行き」のバスに乗ってはいけないのだった。「洲本行き」のバスに乗り、「津名港」で降りなければならない。「西浦線」の「津名港行き」ではなく、「縦貫線」の「洲本行き」で「津名港」。この違いが分からなかった。
とりあえず、調べてきたバス時刻にぎりぎりであり、走ったのだったが間に合った。と思ってもすぐに発車せず、しばらくしてから発車した。まあ、間に合ったのだからよいだろう。そうして、発車する。津名港に向けて走ってくれるのだろう。と思ったら、さっき歩いてきた道を逆送している。思った方向と逆を走っているではないか。そうして、一つバス停を過ぎて「岩屋港」。ここでバスを待っていた人が運転手さんに「津名港までいくらですか?」「逆ですわ。このバスでないです」。津名港まで行くバスとは逆?。でも津名港行き。どうなのだろう。そうしてさらに思っていた方向と逆へ行き、明石海峡大橋に程近い「道の駅あわじ」。多分、ここを利用する人の便宜を図るために、ここまで来てから、もう一度岩屋港・岩屋バスターミナルを通り、津名を目指すのだろう、と思ったのだが、思いに反してやっぱり逆行。いや、このバスとしては逆行していないのだが、私の目指す方向とは逆なのである。とりあえず、どこかに着くだろう。下手をすると、淡路島を4分の3周して津名港を目指すのかも知れない。まあ、それでもいい。洲本あたりで本州へ行くバスを捕まえればよいだろう。
民家も少なくなったり多くなったり。ほぼ、海を見ることができる。穏やかな瀬戸内海の、東の端。今日・明日・明後日と瀬戸内海を見て過ごすことになるのだが、その前章。海水浴場も所々あり、民宿も近くにある。海水浴客も多い。こういう、バタバタした、移動中心の旅だけでなく、海水浴場近くの民宿に泊まって、日中、ずっと海で泳いでいるような、そういうのんびりした旅もしてみたいなと思ってしまう。
バスは北淡町を走る。あの地震で大きな影響を受けたところ。震災記念公園もある。ひっそりしたところにあった。そうして、所々で海・海水浴場・民宿を見たりしながら、淡路島の西側を南下していくのであった。ほんとうは東側を南下するはずであった。ほんとうに津名港に着くのか分からないが、まあ、焦っても仕方ない。初めて上陸した淡路島。景色を楽しむことにしよう。
そうして、予定ではすでに津名港に着いている時間なのだが、依然として淡路島の西側の海を眺めている。誤乗したのは明白であった。とりあえずいつ津名港に着くのだろうか…。
心理的に長かった北淡町を過ぎ、一宮町。郡家というところもあるが、鳥取県ではない。町の中心部に入り、そうして、高速道路の「津名一宮」インターの標識や、津名への看板。ひょっとしてここから内陸を通り、津名へ行くのだろうか。それとも、さらに南下するのだろうか。と思っているうちにバスは左折。内陸を走っていくことになった。
そういえばこのバス誤乗、正確に言うと目的地にはちゃんと着くのだから、経由地の誤乗で、極端に時間とバス代がかかってしまうというやつ、稚内でもやってしまったことがある。その時と同じ心理状態。そうして、そのまま海岸沿いの南下をやめて、内陸に入り目的地へ向かうということも何となくあのときと同じであった。
内陸部を通り、津名一宮インター。インターチェンジに入りかけて、料金所の手前にバス停。そのまま高速に乗ってしまうのだろうかと思ったら、専用の横道へずれて元の一般道に戻ってしまうという形。
そうしてさらに進み、津名の町に入る。例によって、津名港直通ではなく、なんとか会館前とかを経由して、津名港に到着した。
予定より遅れて津名港に着いたのだが、これはこれでよかったのだった。予定のバスでここへ来て、鳴門・徳島方面行きのバスに乗ると、鳴門駅を経由せずに、そのまま徳島へ行ってしまうというもの。単純に今日、高松を目指すだけならそれでもよかったのだが、鳴門線に乗っておかねばならない。徳島へ行ってから、池谷から鳴門線往復でもよかったのだが、ちょっとロスがある。せっかく鳴門を通っておきながら、それももったいない。ということで、「予定のバスに接続していたバス」の次のバスなら、鳴門駅を経由するようであった。それに乗ることにしよう、ということでこの津名港で1時間ほど時間がある予定だった。それが、誤乗したおかげで30分短くなった、というだけだったのだ。
と思って、鳴門方面へ行くバスの時刻を見てみると…。まさに「…」だった。ダイヤ改正で、「予定のバスに接続していたバス」が鳴門駅経由。今から乗ろうとするバスが、徳島直通。鳴門駅へ行くには「高速鳴門」から行かねばならない。「高速鳴門」と「鳴門駅」の位置関係、全く分からないのだが…。さっきの津名一宮インターみたいに、高速道路のインターチェンジから、鳴門駅へ行く一般道の路線バスがあるのだろうか。それとも、そのまま徳島まで行き、鳴門往復。そうして、徳島の健康ランドを今日の宿にすべきか。多分そうなるだろう、と思いつつ、バスに乗ることにした。
運転手さんの案内、「渋滞等で遅れることがあります。」まあ、どこのバスでもある話。しかし、今回は自動放送ではなく、わざわざ肉声での案内。実はこれがさらにその後の予定を変動させるものであったのだ。
一応このバスは高速バスという扱いである。しかしすぐに高速へ乗らず、洲本までは一般道を通る。津名の町を過ぎ、海岸沿いを走り、洲本市に入る。さらに海岸。穏やかな砂浜だけでなく、ちょっと絶壁になっているところもある。そこに狭い海岸があり、やはり泳いでいる人がいる。洲本の市街に入り、結構大きなバスターミナル。バスはほとんど止まっていないのだが、「のりば」がやたらとある。ちょっと興味があったのだが、そのまま乗っていくことにする。内陸に入り、ちょっと川沿いの市街を走ってから、高速へ。せっかく淡路島上陸なので、舞子から一気に高速で四国、ではなく、ちょっと淡路島を楽しんでみたのだが、誤乗によりさらに楽しむことができたようである。
高速道路に乗ってしまうと、画一的な山の中になってしまう。沖縄へ行ったときもそうだったのだが、一般道を走り、その土地独特の景色を堪能したあと、高速へ入ると、一気に画一の世界へ引き戻されてしまう。新幹線と在来線、というのもそういうものかも知れない。
高速道路を走り、淡路島もほとんど終わろうとする「鳴門公園口」。自転車の若者が待っていた。そして、日本人の若者が「自転車を積みたいそうなんですけど…」と。そうして自転車と共に乗り込んできたのが、3人ほどの外国人のグループ。とりあえず、自転車を固定して、出発。これで若干遅れたはずなのだが…。
しばらくすると、鳴門大橋。渦潮らしきうねりも見えるが、ほんとうに渦潮を見たいのなら、時間をちゃっんを合わせて、船から見なくてはならない。今回は通り道だったということで…。そうして、あっけなく四国に上陸してしまった。いや、明石からここまで、つまり本州から四国、ということを考えると長い道のりだったのかも知れない。
そうして四国へ入った瞬間に、渋滞が始まった。わざわざ肉声で案内をしていただけあって、本格的な渋滞。といっても、進こそは進むのだが…。帰省ラッシュなのだろうか。(ほんとうはもう一つ理由があったのだが…。)このまま徳島まで行っていてもいつになるか分からない。「高速鳴門」というところがどういうところか分からないのだが、とりあえず降りてみることにしよう。どうにかなるだろう。
そうして、降車ボタンを押し、停まってもらった。前方には各地からの高速バスが同じように停まっていた。とりあえず、淡路島経由の高速バスは、ここをバス停にしているらしい。停車したところは高速道路上。インターチェンジではなかった。よくある、高速道路にあるバス停。これからどうやるのだろうか。場所も、町というよりは山である。ちなみに、このバス停、淡路島−徳島というバスは「高速鳴門」という名になっているが、遠方からの高速バスは「鳴門撫養」という名前である。
とりあえず、出口から、高速道路の敷地外に出るのだが、結構山の上。人のいないところでこういうところにおろされると心配なのだが、人間と乗用車は沢山あった。ちょうどお盆の帰省シーズン。迎えに来た人と、遠くから来た人。そして迎えに来た自動車。関東・関西から来た人たちにとっては、鳴門への入り口がこの山の上なのである。鳴門駅ではない。そういう意味で、「四国の玄関」の一つである。今回はその玄関から四国に上陸したのだった。
乗用車が沢山あるが、当然のことながら私を迎えに来た人も車もあるわけでなく、ここからどうにかして鳴門駅へ行かなければならない。とりあえず、山を下りることにしよう。降りていくと広い駐車場。上に上がってこない車が沢山停まっている。
そうしてここから。道へ出たのはいいが、右へ行くべきか左へ行くべきか。とりあえず右。そうして歩く。初めて来る鳴門市。こういう形で、地図もなく、鳴門駅を目指さなくてはならない。ちょっと住宅地を歩き、うちの会社と同じ会社のソフトを使っている会計事務所の前を通ったりしながら、徐々に市街地へ。「鳴門市街地」という標識を頼りに歩いていくと、25分ほど経ったあたりで鳴門駅に着いた。明石駅を離れてから4時間あまり。こういう形でJRの駅に復帰することができた。
なお、津名港発車までは予定どおりだったのだが、渋滞のため、高速鳴門到着が16時20分頃。これはもともと16時8分に鳴門駅に到着するつもりだった。鳴門駅16時23分発の列車に間に合うはずがなく、17時6分発となってしまったのである。
しかしながら、この駅、ちょっとにぎやかである。着物を着ている人もいる。さすが盆。と思ったのだが、それにしても人が多い。帰省客を迎えるというのではなく、なんか出かけそうである。駅員の放送が入る。女性駅員が多いということから、何となくJR四国だなと思うのだが、やはり女性駅員。そういうことではなく、「本日阿波踊りのため、帰りの徳島駅では混雑が予想されます。帰りのきっぷも販売しておりますので、是非お買い求めください」
この放送ですべてが分かった。四国へ入ったときの渋滞も。この駅の混雑も。着物の人も…。ということは、今から徳島へ行く。ただし、予定より遅れているため、徳島で宿を取る、ということを考えていたのだが、それはちょっと難しいかも知れない。健康ランドなんで入れるとは思うのだが、そのあとの寝床確保など、ままならないだろう。ということはそのまま、無理やりにでも高松・そして宇多津へ行かなければならないのだった。徳島特急うずしおに乗る。しかも、予定より1時間遅れている。かなりの部分、日没後になるが仕方ない。いずれ再乗することにしよう。
ホームに沢山乗客がいるが、列車もそれにあわせて3両連結。クロスシートに座ることができた。
鳴門から池谷まで、この路線は鳴門市内しか走らない。景色も水田と住宅中心。立道駅の裏にレンコン畑が広がっていたが、それを過ぎるとレンコン畑が多く広がるようになってきたのが印象的だった。
池谷駅は、分岐駅ということで大きな駅を想像していたが、規模は小さかった。ほんとうはこの駅で高松行きの特急に乗ってしまえばよいのだが、そうなると佐古−池谷間が未乗になってしまう。こういうところが「乗りつぶし」の旅である。
池谷から高徳線。レンコン畑を見ながら、工場が増えてくる。広い吉野川を渡り、高架になってきて町になり、佐古を経て徳島。
徳島で折り返すことになる。この駅では、一度降りたことがある。ということで混雑中でもあるのでそのまま引田までの乗車券と自由席特急券を買って、改札へ。改札内のうどん屋さんで食べる。冷やしうどんを食べたのだが、なかなかコシがあってよい。今まで食べた中では結構上位に入る。
徳島から、いつもとは違う特急に乗る。さっき通った線路を、駅を通過しながら戻り、池谷。ここからレンコン畑・水田・住宅などを見ながら板野。讃岐大宮を過ぎると山を抜け、海を見下ろす。瀬戸内海の島々がいくつか見える。太陽の光が残っている。
引田で普通列車に乗り換える。水田や住宅などがあるようなのだが、だんだん暗くなっていく。ため池などが印象的。そうして屋島でほんとうに外が見えなくなった。栗林駅が意外と都会的であった。そうして高松、なのだが、時刻表がない。さっきの特急「うずしお」の中に忘れたのだろう。これがないとどうにもならない。かといって、忘れ物取扱所で扱っているかどうか。聞きに行くにも時間がない。しょうがないので、高松駅のキオスクで…。しかし売り切れ。改札を通る。そうして、駅構内の本屋へ。そういえばこの駅の構内、この年の1月に来たときは工事中だったが、きれいになったようである。そういうことはいいとして時刻表。入手できた。旅の途中に時刻表は7月号から8月号に変わったのだった。
普通列車の今治行き。これに乗るつもりだったのだが、時刻表を買っていた関係で乗れない…、はずだったのだが、列車が遅れており間に合った。全部電化区間のはずなのに、旧型の気動車。
暗くて分からないが、半年ちょっと前にも通っているはず。ということでとにかく、宇多津まで行く。この駅から歩いて健康ランドへ。遠くもなく近くもない。ちょうどよい距離であった。