4日目 2001年8月15日
【小倉】6:29発−(普通)→【下関】6:47着、6:52発−(普通)→【厚狭】7:29着、7:34発−(普通)→【長門市】8:39着、9:06発−(普通)→【益田】10:55着、11:08発−(普通)→【浜田】11:56着、12:43発−(普通)→【出雲市】14:40着、14:52発−(普通)→【米子】16:14着、16:54発−(普通)→【境港】17:37着、17:44発−(普通)→【米子】18:28着
小倉から米子まで。純粋に山陰本線経由でもよかったが、単純に乗りつぶしの関係。以前、仙崎支線に乗っておいてよかったと思う。あとは、海や山を眺めながら米子まで。米子でホテルに荷物をおいて境線往復。こういうのも楽だと思う。
今日は若干早い。6時38分の列車に乗るつもりで小倉駅へ、というためには、5時半前には起きて風呂に入る。カプセルホテルとなると風呂か寝るか、ということしかすることがないのであるが、それでも「乗りつぶし」のための時間制限があると結構忙しい。山陰本線の益田から出雲市を快速列車にすれば、7時28分発でも大丈夫なのである。まあ、それでもいいのだが、せっかくなので普通列車に乗っておきたい。ということで早くなった。
小倉駅へ行ってみると、6時29分発でも大丈夫である。それに乗ったのだが、単純に下関での乗り換え時間が長くなっただけの話である。その後は昨日来た路線を引き返し、厚狭まで行く。
重厚な黄色い気動車のクロスシートに座って…、と思っていたのだが、軽快なロングシートの気動車であった。とりあえず適当に座る。
水田と住宅であるが山が近い。そのうち、谷になってきてトンネルへ。そうなったり、川だけの谷を通る。それが落ち着いてきて再び水田が広がり、住宅も増え南大嶺。廃線が別れていく。私が「乗りつぶし」ということを始めたときは、あった路線。乗ろうと思っていて乗らず終いでなくなっていくのも寂しい話である。
一旦谷に入り、山になるが、町になって美祢。その後は水田と住宅のある結構広い谷。そうなったり、山になったりと。一言でいうと地味である。その中でも長門湯本のあたりは温泉街である。板持駅のホームには夏みかんがあったりと。そうして、住宅が増えてきて、長門市に到着する。
この駅は一度来たことがある。その時は山口線経由で益田から長門市へ。山陰本線の仙崎支線を往復した後、山陰本線経由で下関へ行ったのである。その時に「仙崎支線」に乗っておいたおかげで、今日はそのまま進むことができる。あのとき以来、この仙崎支線は減便され、その当時よりも乗りにくくなっている。
「乗りつぶし」ということを始めた当初、憧れていた路線が飯田線と山陰本線。飯田線の方は早々に乗ってしまったのだが、山陰本線はなかなか乗れずにいた。初めて綾部から福知山まで乗ったときは、感激すら覚えたのである。しかし全線乗るには、ちょっと長い日程が必要であることや、沿線に健康ランド・カプセルホテルなどがないことで、なかなか近づけなかった。乗ったことがあるのは京都から和田山、伯耆大山から松江、そして益田から幡生であった。両端と、まん中だけという、奇妙な状態であった。この年の5月に小浜線経由で山陰本線を考えたのだが、ちょっとした手術もどきのために出歩けなかったのである。
今日はこのまま米子まで行き、明日でこの長年の夢というか、留保事項が実現するのである。
とりあえず、長門市から益田までは乗ったことがあるし、その時詳しく外を見ていてメモもとってあった。この区間は省略することにする。ただし、その当時は黄色い気動車。今は新型のロングシート気動車。加速は全く違うのであった。
益田からは快速「アクアライナー」に使われる車両。クロスシートでゆっくりと海を見ることができそうである。益田を出ると、市街地、水田を抜け山を抜け海を見下ろす。その後は海や山を繰り返すのだが、その中にある集落に石見津田・鎌手と駅がある。集落の屋根は赤い瓦。石見瓦である。少し内陸に入り岡見。その後、海沿いに出るが、工業的な港を見ながら内陸へ三保三隅を経て、海や山が交互に現れる。西浜田を過ぎると、海の方にセメントのサイロのようなものが見え、その後町になってきて浜田に到着。
浜田で結構時間がある。その間に江津までの区間運転の普通列車があったが、ロングシート車であったのでパス。と思ったのだが、その後、出雲市へ行く普通列車もロングシートであった。それならば別に江津まで行ってもよかったのかも知れない。
浜田から江津まで、海やら山やら。その繰り返しが山陰本線なのである。敬川あたりからは松林があり、地形的に穏やかであった。町になってきて江津。大きな川、江の川を渡る。この川沿いの路線に、そのうち乗らなければならない。その後は再び山と海の繰り返し。馬路あたりの集落は、瓦の色が黒であった。近くであっても瓦の色が急に変わるものである。工場と住宅が増え、大田市。再び山と海が繰り返される。小田あたりからは内陸となる。水田と住宅。そうして、住宅も増え、高架になり出雲市に到着する。
出雲市で乗り換え。快速である。この快速に益田から乗るならば、今日の朝、1時間ゆっくりできたのであった。ここで追いつかれるということになる。それにしても、山陰本線西部、快速「アクアライナー」の威力はすごいものである。ただし、それと引換に、普通列車は、「アクアライナー」の車両を利用したもの以外はロングシートの、トイレのない軽快な車両になってしまったのであった。
出雲市駅のきれいさにちょっと気を取られながら、今度は快速に乗る。ホームもかなり混んでいる。入ってくる列車もかなり混んでいる。
出雲市を出てしばらくすると、宍道湖の車窓になる。玉造温泉で温泉街を見ながらさらに宍道湖を進み、町になってきて県庁所在地の松江。ここからは乗ったことがあるのだが、何となく覚えている景色で、川のような港のようなところを通る。中海を見て、水田と住宅、住宅が増え市街地になり安来。その後は少し山を越えて米子に到着する。
ということで米子に到着したのだが、ここでこのシリーズの旅、つまり、この11年間で始めてということをしなければならなかった。ホテル探しである。といっても、某テレビ番組みたいに、無茶な予算でホテルを探すというわけでもなく、まあ、安いホテルならいいなという感じであった。とりあえず、町をウロウロ。風呂の広そうなホテルで、5,000円前後。まあ、これでもいいかなと思いつつ、目に付いたのが1泊3,500円というホテル。これ、ひょっとして昨日の小倉でのカプセルホテルより安いではないか。ということで、慣れないホテルにちょっと躊躇しながら、意を決して入っていく。
「風呂とトイレは共同ですけどいいんですか?」と。こういうこといっこうに構わない。ただし、中にコインランドリーだけあることを確認する。そうして鍵をもらい入るのだが、風呂とトイレがないだけで、別に問題はない。普通のホテルであった。とりあえず、ベットに横になり、境線の時刻だけ確認する。最低限の荷物だけ持って、境線に乗りに行く。こういうのも楽である。
鬼太郎の絵が描かれた車両。時々窓にもその絵がはみ出ているのであった。
米子を出て、住宅地をしばらく走り、河崎口あたりから水田や畑が混じり出す。御崎口を過ぎて、大篠津に近くなると、荒れ地が多くなる。米子空港の滑走路のすぐ近くを走る。空港の近くらしい、花の木がある景色となる。そうして再び畑と住宅。前方に山が近づいてくる。そことの間には中海の出入り口があり、昔は橋がなかったのであった。そうして住宅が増え、境港に到着する。
ちょっと境港駅を観察した後、同じ路線を同じ列車で、米子まで戻る。
当然、夕食を提供して頂けるホテルでもないので、駅2階の食堂でさっと夕食を済ませる。そうして、かみそりなどもホテルになかったので買っておく。今までは健康ランド・カプセルホテル。かみそり・歯ブラシは持ってこなくてもよかったのである。
ホテルへ戻り、洗濯をしつつ、風呂にも入る。風呂自体狭いので、あまり落ち着かない。携帯電話の充電もできるし、荷物の整理もできるし。長期になる旅なら、時々ホテルへ泊まった方がよいのだと気づく。あとは風呂さえ広ければ…。