JR各線を巡る旅の記録

36 湘南 熱海ゾーン 3日目


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3日目 2001年11月25日
【村井】8:42発−(普通)→【松本】8:49着、9:46発−(普通)→【南小谷】11:36着、11:49発−(普通)→【糸魚川】12:41着、13:19発−(普通)→【富山】14:28着、14:34発−(普通)→【金沢】15:30着

 単純に帰ってくるだけ。そういえば、松本以降の乗り換え、1年前にも同じようなことをしたような記憶がある。どうせならと、その時と同じものを同じところで、それぞれ朝食・昼食として食べたのだった。やはり大糸線、すばらしい。


●村井−松本(篠ノ井線)

 昨日来た道をそのまま戻る。この、塩尻から松本の間、最終的に乗らなくてはならない列車の時刻さえ頭に入れておけば、あとは適当に駅へ行くと適当な列車に乗ることができる。去年の秋、南松本に泊まって、松本まで行ったときもそうであったが、結構便利な区間である。

 ちょうど踏切のところで普通列車が通り過ぎてしまったが、無理して乗る必要もない。そうして村井駅まで行き、少し待っていると列車が入ってくる。JR東海の列車。中央西線からの直通であるが、ここでJR東海の列車に乗るもの面白い。

●松本−糸魚川(大糸線)

 よく考えると、松本以降は去年の11月、小海線などに乗って、南松本で泊まったときと全く同じ列車になってしまうのである。そういうことが同じならと、その時利用した喫茶店で朝食を食べることにした。しかも、同じメニュー。こうなったら意地である。

 ただし違っていたのが、松本から南小谷までの列車。確かあのときは4両で、クロスシーに座ることができたと思うのだが、今日は2両しかない。クロスシートは団体の人が座り、私はロングシートに座る。

 それにしても天気がよい。たしか、去年も同じように天気が良かったと思うのだが、今日は、その時と日が20日ほど違うだけあって、景色がそれだけ冬に近づいている。紅葉がなくなっているし、北アルプスの山々は一部が雪をかぶっている。去年の11月4日頃とは、違う景色なのである。微妙に季節が変わるだけで、この大糸線は景色が変わってしまうのであった。

 豊科・穂高あたりでは左側に見える山の説明を、車掌がしている。「ほんとうに今日はきれいに見えています」とのこと。思わず見てしまうのだが、ほんとうに奇麗であった。そうやって、山々を見ているうちに信濃大町。ここでかなりの乗客が降りてしまう。2両目が空いていたので、そちらへ移る。クロスシートの部分も空いてしまったので、そこに座ることにする。そうして、北大町を過ぎると信濃木崎から湖が3つ続く。それぞれに表情があり、私の好きな景色の一つである。稲尾駅は木崎湖のそばにある。去年通ったときはこの木崎湖、紅葉が湖面に映って、山と湖が同じ色だったのだが、今日は山に紅葉が全くなくなっている。すべての葉が落ちてしまって、針葉樹の緑だけが残っている。

 中綱湖をちょっと見て、青木湖。何となく深そうである。周囲の山も深い。こういう3つの湖を過ぎると、「JR東日本で最も西にある」という、南神城。山を下っている途中にある。それにしても、このあたりまで来て、乗客が少なくなると思うのだが、JR東日本の、この手の「省エネルギー」をコンセプトに作っている車両。ほんとうに静かなのである。こういう山の中を走っているとよく分かるのだが、停車中はほとんど音がしない。走行中も、必要最低限の音(エネルギー)だけを使って走っているという感じがする。賛否両論のある新型車両であるが、空いていれば落ち着いて景色を見ることができる。

 信濃森上を過ぎ、水田の中から姫川沿いへ、無理やり入っていくという感じがする。そうしているうちに、南小谷で乗り換え。静かな列車のあとは、旧型の気動車。ほんとうにやかましい列車に乗り換えるものである。こっちはこっちで別の風情があるのだが…。

 この、南小谷−糸魚川間のワンマン列車に乗るといつも思うのが、運転手の「○○よし」という声の大きさ。ほんとうに驚いてしまう。しかも今日は見習いらしき人と2人。いつもより大きな声のようであった。

 中土でJR西日本の駅名標を見て帰ってきたような気分になる。そうして、洪水で大きく変わってしまった川沿いを走り、根知あたりからは平坦になりつつも糸魚川に着く。

●糸魚川−金沢(北陸本線)

 ほんとうに1年ちょっと前と同じ動き。朝食もその時と同じだったので、昼食も同じものを。糸魚川の釜飯だったか、そういう弁当を買う。ほんとうに意地の世界に入っている。

 このあとは特にいつもと変わらぬ路線を走る。親不知あたりも穏やかである。1ヶ月後には全く違う表情を見せているのであろう。そうして、いつもどおり走り、金沢に到着する。


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