1999年12月25日(1日目)
【金沢】発12:24−→【福井】着13:51、発14:35−→【長浜】着15:59、発16:07−→【草津】着16:55,発17:22−→【柘植】着18:03
金沢から単純に健康ランドのある柘植まで行くだけ。その他乗りつぶしは翌日に回すということでこうした。だいたい着きたい時間を7時頃として逆算すると、北陸本線の接続の関係でこのような形となった。実際、問題は柘植駅到着後にあり、暗くてよく分からないところを1時間弱も歩くこととなった。
朝早くから出発することを考えていたが、前日、例によって仕事が10時過ぎまでかかってしまい、朝5時台に起きる気がしなくなった。それならと、当日の明るいうちに名松線か参宮線に乗ることを考えるが、さほど出発時刻に違いはない。それならいっそうのこと当日は柘植にある健康ランドまで行き着くことだけにし、それを少し早めに行けば翌朝多少早くても大丈夫だろう、ということで、金沢駅12:24発の普通列車で出発することになった。とにかくこの1日目は柘植にある健康ランドへたどり着けばよい。到着も18:03である。
特にこの区間については草津までは「いつも乗っている区間」として別に書いている。そのため、いつもと変わった部分だけ書いていくことにする。
この12:24発は以前からもそうであったが、平日であってもなぜか混んでいる。列車の時間の間隔か、人の移動のせいか分からない。あと、9時台も混んでいる。しかし11時台は空いている。このあたりがよく分からない。今日もその例に漏れずに混んでおり、しばらくはロングシートの部分に座っていた。
小松駅付近の高架工事は思ったより進んでいた。もう一部橋脚ができているのである。それに比べ福井の方は京福電鉄もあり規模が大きいためであろうが、まだ進んでいなかった。駅の方も半分が仮設ホームへ移動しているだけであった。その一部分が移動しているというのが曲者で、乗換をするのにかなり歩かされた。また、改札から上りの特急列車のホームまでかなりの距離になっており、不便に感じている人は多いであろう。
また、この数日間、雪が降り、その後解けて金沢(少なくとも海側の部分)では自転車で走ることができるようになっていた。しかし、小松あたりでは雪がやや多いと思っていたら福井ではもっと多かった。やはり金沢は北陸3県の中で雪が少ない方のようである。これが今庄あたりでは完全に雪国となっていた。
敦賀でやや長く停まり、いつものように長浜で乗り換える。一番前まで歩くのはいつもと同じである。いつものように田村・坂田と停まり、米原に着く前に信号で停車した。今日はおかしいのだろうかと思っていたが、どうも今後いつもこうなるようである。というのは今まで長浜駅を8両で出発した新快速列車はその後8両のまま米原・大津・京都・大阪・神戸を経て姫路あるいは網干・播州赤穂まで走っていた。しかしこのような区間を走り、しかも特別料金不要で高速で走るにもかかわらず8両では京都・大阪・神戸あたりの混雑には対応できないらしく、米原で4両増結し、12両でこの区間を走ることになったようである。そのため、ホームに停車している4両の後ろに8両が入ってくるため、一時停止を繰り返さざるを得ない状態のようである。
あと、この列車が米原に着くときに同時に名古屋・大垣方面からの快速も入ってくる。そして同じホームに到着し、乗換をしやすくしているようである。向こうからたくさんの人が乗ってくる前にこちらが乗っているので優越感を感じる。新快速列車を木之本(北陸本線)あるいは敦賀まで延長させる(つまり直流にする)という運動があるが、そうなるともっと便利になるだろうと思う。
とにかく、4両連結して彦根・能登川と停まっていく。今までは各駅でホームの端に停まっていたのに前に4両くっついてしまったためにそうではなくなってしまった。今までと混雑具合が微妙に違うようである。
そうしているうちに草津に到着する。ここで乗換というのもあまり珍しくもない。駅の勝手もだいたい分かっている。ホームの確認もせずに草津線のホームへ向かう。以前乗ったときと同じように4両であるが、まん中2両が少し違っていて、新快速と同じ転換式の座席であった。ガラガラならクロスシートでもよいが、おそらく混むのだろうから転換式の座席がある車両に行く。
草津線はこの乗りつぶしシリーズ初の完乗路線である。それ以来、関西本線がらみで2回乗っており(うち1回は単なる大阪からの帰りであるため文章化しない。)今日で4回目である。北陸本線以外でつい完乗してしまう路線というのもそう多くない。あと考えられるのは大糸線ぐらいである。今後磐越西線あたりがそうなりそうな気がする。
しばらくして乗客が増え、草津を出ると東海道本線と別れる。しかし、草津で乗換をしている間に外が暗くなってしまった。そのため、あまり景色が分からない。ネオンの明かりだけが妙に目立つ。貴生川で多くの乗客がおり、乗客が少なくなって柘植に到着する。この駅もそんなに珍しいわけでもない。
今日も例によって健康ランドに宿泊することにする。三重県内は宿泊できる健康ランドがあまりないようで、あとは四日市にあるだけである。ただしそこは宿泊できるのが休日の前の日だけのようで(つまりその日は大丈夫だった。)さらに、近鉄線の駅近くなので時刻がよく分からない。さらに、目的の名松線・参宮線までの距離を考え、こちらの柘植の方がよいと思った。
事前に見ると、柘植駅から名阪国道に向かうと「上柘植インター」があるようで、そのすぐそこである。インターネット上で見た地図(その健康ランドで配られた地図をもとにしているようである。)では近いようであった。念のためパソコンの電子地図(今回はマップルを使った)で見ると、柘植駅から「近くのインター」まで、1キロ少々であり楽に行くことができるようであった。道も単純そうなので地図もプリントアウトしなかった。健康ランドの案内のWebサイトのページだけはプリントアウトしておいた。
というところまでがいい加減な事前調査であった。駅に着いてから駅前の地図を見る。すると、確かに「近くのインター」である「伊賀インター」までは単純明快であった。しかし、健康ランドがある「上柘植インター」は「伊賀インター」の次である。地図を見ると「伊賀インター」までは距離があり、道もすぐに覚えられそうではない。つまり、事前に見て安心していたのは柘植駅から「伊賀インター」までの道である。行かなくてはいけないのは「上柘植インター」であった。案内図では名阪国道などから車で来ること、あるいは昼間走っている送迎バスで柘植駅から来ることを想定しており、日没後あるいは早朝に柘植駅から歩いてそこへ行くことを想定しているものではないのである。
とにかく歩き出す。以前この駅で降りたことがあり、回りの道は細くてよく分からないという記憶がある。確かにその通りで、とにかく車がすれ違うのに不自由しそうな細い道を歩く。少し線路沿いに歩き、右に曲がり、住宅や会社のあるところを歩く。途中から下り坂になっている。しばらくすると細い道と交差している。ここを右に曲がると住宅地であるが車としては一方通行で進入できない。まさかこれが案内図にあった国道25号線ではないだろうなと思っていると、住宅がとぎれてしまった。そして、水田か荒れ地のようなところを歩く。暗くてよく分からない。道が少しアップダウンしている。目の前には名阪国道とインターチェンジらしきところが見える。そこにレストランがあれば目的の上柘植インターではなく伊賀インターである。そう思って近づくと本当にレストランがあった。間違いなく伊賀インターであった。そうなると次のインターまで行かなくてはならない。しかし、来た道はインターとなっていて名阪国道にしか行けないようであった。実際、裏に回ると国道25号線に入ることができたのだが、それは分からなかった。車で隣のインターへ行くのは容易であるが、歩いて行くにはどうも見当がつかない。明るければどうにかなるが、暗いので名阪国道沿いに歩くことができる小道があるかどうかも分からない。とにかく道路は名阪国道にしか続いていないように見えた。
そこで引き返す。そして先ほどの住宅地へ入っていく一方通行の道がある交差点まで戻る。そして、とにかく名阪国道と並行に歩くためその交差点を曲がり、住宅地の中を歩いていく。住宅地であり、コンビニなどがあるわけでもない。6時台であるが真っ暗で、家の明かりがあるかないかである。家の居間が道路に面していなければ、外から見るとその家は真っ暗である。そのため、人がいるのかいないのか分からない住宅地をとにかく歩く。しばらくすると交差点に出る。左に曲がると名阪国道がありそうなので、とにかく曲がってみる。住宅地もなく、水田、あるいは荒れ地を歩く。途中林もあり、真っ暗でよく分からない。街灯もない。ここで交通事故にあったら最悪明朝まで助けが来ないかもしれない。そのようなところを歩くと、ある道に出てきた。上を見ると名阪国道で明かりがある。あとで分かったが伊賀サービスエリアの明かりであった。出てきた道は国道25号線である。これに沿って歩くとどうにかなりそうである。
しかしこの道も周りに何もなく、しかも半分山道である。ときどき街灯があるが、それもわずかである。駅から健康ランドへ行くためにどうしてこのようなところばかりを通るのだろうか。それならば松阪あたりのビジネスホテルでも十分差額分の価値はある。そう考えながら歩く。季節的にも冬であり、頭のてっぺんに寒さが抜けていくような感じである。雪も雨もないのが救いで、これであられが横から吹き付けていたら別の手段を考えただろう。とにかく国道を歩く。簡単な案内標識があり、「国鉄柘植駅」まで1.7kmとある。歩いてきた方向は間違いないようである。それにしてもまだそれだけしか歩いていないのである。寒さと暗さでそれ以上の距離感がある。それと全く知らないところを方向感覚だけで歩いているということもある。
国道が山道から平坦な道になる。水田の中のようである。名阪国道も見えてきた。名阪国道に向かってあまり広くない道があった。そこから車が1台走ってくる。そちらの方向に上柘植インターがあるかもしれないのでとりあえず曲がってみる。しかし、しばらく歩いても何もない。どうも違ったようで引き返す。そして再び国道を歩く。ときどきバス停がある。そのバス停を2つ分ほど歩くと、広い道が交差している。この道を右に曲がると水口方面へ行き、左に曲がると上柘植インターのようである。右に曲がると柘植駅方面へ行けそうである。しかし、明日の朝、地図もないのにそこから行くと迷いそうなのでやめておくことにする。とにかく左に曲がる。向こうの方に名阪国道が見える。そこをめがけて歩いていく。確かにインターがある。そしてレストランもある。本当に健康ランドがあるのか心配になったが、レストランの奥の方にきちんとあった。とにかく無事に宿泊所までたどり着くことができた。道に迷ったおかげで1時間ほど経っており、もう7時を過ぎていた。明日の出発は1時間弱を見ておけば十分だろう。
一度入浴してから食事をとる。定食類は高いようなので炒飯にする。例によって体重は3キロほど減少していた。旅に出た瞬間に痩せてしまう。ただしこれはすぐにもとに戻る。もう一度風呂に入り直して、仮眠室で寝る。結局睡眠スペース5人分あたり1人という感じでゆったりと寝ることができた。
翌朝の柘植発は5時56分である。最近は早くとも7時台、場合によっては8時台9時台発というパターンであった。特に今回は普通の土日を使っているため、疲労を押さえる意味でもそういうパターンにすべきであった。しかし、前日ゆっくりとしたことで、逆算するとこの時間に出ないと目的の名松線・参宮線にのることができないのである。そのため、朝1時間ほど風呂に入ろうとすると4時に起きなくては行けない。実際は4時10分ぐらいに起きて風呂場へ行くと、3時から6時まで清掃のため入れませんということだった。それならば前日にゆっくり入っておくべきだったが、今回はいつもよりがっかりすることもなく、1時間弱を仮眠室で少し寝て過ごし、5時少し前に出発する支度をはじめて、ほぼ5時に出発した。
来たときと同じ真っ暗な道を、柘植駅へ向かった。来た道を、誤って引き返した部分以外はそのまま戻った。あとで地図を見て分かったことだが、案外このルートは最短コースに近いものであったようである。もう少し最短コースをとる方法があったようであるが、そのときに適当に歩いたにしては上出来だったようである。とにかく、暗い道を若干の不安を感じつつも柘植駅へ向かって歩く。柘植駅に着いたのは5時45分ぐらいであった。まだまだ真っ暗で、駅員の改札も行われていない時間帯であった。