JR各線を巡る旅の記録

28 南九州 4日目


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2000年5月6日
 【大分】7:17発−(普通)→【別府】7:29着、8:23発−(特急ソニック8号)→【中津】9:06着、9:12発−(普通)→【下関】10:41着、10:43発−(普通)→【新下関】10:53着、11:17発−(新幹線こだま566号)→【広島】12:46着、12:48発−(新幹線こだま632号)→【三原】13:12着、13:28発−(普通)→【糸崎】13:32着、13:33発−(普通)→【笠岡】14:12着、14:18発−(快速サンライナー)→【岡山】14:52着、15:19発−(普通)→【姫路】16:44着、17:00発−(普通)→【長浜】19:31着、19:34発−(普通)→【敦賀】20:12着、20:19発−(普通)→【福井】21:08着、21:50発−(普通)→【金沢】23:35着
 ※大分を予定より早く出ることができた。別府で温泉にはいるというオチがあり、その後特急に乗るが、窓側の席にも座れず、また、面白くないので中津で降りてしまい普通列車に乗ることにした。そのあと、新下関から新幹線「こだま」に乗るが、それを最短にするため三原で降り、その後は普通(快速等を含む)列車で戻った。岡山以降は2000年1月2日と全く同じ日程である。

●大分−別府(日豊本線)

 本来、大分−西小倉間の日豊本線は乗車済みだから、前の日に小倉まで行っておいてもよいし、今日、久大本線で久留米へ抜けるという方が乗りつぶし的にはよいことである。しかし、この大分−西小倉間というのは、日没後にほとんど外を見ずにさっと特急で通り過ぎた区間であるので、もう一度見ておきたかった。そのため、今回わざわざ明るくなってからここを通ったのである。

 とにかく大分駅へ行く。そして、今回本格的な温泉というものに入っていないので、最後に別府の温泉に入っておくことにする。わざわざそういうところでなくても、例えば鹿児島市内の銭湯はほとんどが温泉で、しかも割安でさらに朝5時半や6時頃からずっとやっているところも多い。そういうところでよかったのだが、鹿児島で時間がなさ過ぎた。そこでここで入っておくのである。

 大分駅へ行くと、白い「かもめ」の列車を使った特急「ソニック」が発車するところだった。別にそれでも構わないが、特に急がないので次の普通列車に乗る。やはりあのロングシート車であった。距離が短いので構わないが。サラリーマンはほとんど乗ってこず、高校生が席を埋めるくらい乗っていた。一応土曜日である。休日を振り替えたところもあるらしいが全国的には学校はお休みではない。

 大分と別府の間は東大分と西別府という2つの駅しかない、というかなり単純明快な駅の並びである。そのうち大分と東大分、西別府と別府の間は市街地であったが、東大分と西別府の間は海沿いを走っていた。間に国道を挟みながらも、少し高いところを別府湾を見ながら進んでいた。そういう景色を見ながら別府に到着する。

●別府市で

 とりあえず、ここからは時間を決めていないので、それなりに温泉に入ればよい。「駅前銭湯図鑑」をみて、駅に一番近そうな「駅前高等温泉」に入る。普通に300円かかる。あまり広くないし、どれほど熱いものかと期待していたがさほど熱くない。まあ、温泉だから良しということで、水風呂もないのでさほど長くはいるわけでもなく、しかも、大分の健康ランドですでに風呂に入っており、今日2回目の入浴なので、さほど長いことかかるわけでもなく、普通に上がる。

 上がってから、朝食として駅前のコンビニでやはりおにぎり・パン・飲み物を買う。そして、今度来る特急、ソニックに乗ることとなったのである。

●別府−西小倉(日豊本線)

 特急ソニックは独特な列車で、何ともいえない内装である。椅子も自由席なのに、ミッキーマウスの耳のようなよく分からない飾りもついている。という列車であるが、この列車、佐伯発のため、乗車率が高くなっていた。とにかく窓側の席には座ることができない。単なる移動なら、誰かの隣の通路側に座ってもよいが、外を見なくてはならない。そこでデッキに立っていることにした。この列車のデッキはなぜか広い。しかも意味不明のオブジェクトがある。さらに、客室とデッキの間はガラス張りである。そのため、デッキの狭さというものは感じなかったが、どうも客室に行儀よく座っていた乗客の姿が印象的な区間となってしまった。

 それと同時に、どのようにして金沢まで帰るかも考えなくてはならない。もう、筑肥線・唐津線に乗ることはあきらめたものの、ここから完全に普通列車で金沢へ行くと今日中に着くことができない。大阪あたりのカプセルホテルに泊まるくらいなら、少しぐらい特急を使ってでも今日中に金沢に着いた方がよい。それならなるべくこの「ソニック」で小倉まで行き、本州内での特急に乗る区間を少なくした方が得である。しかし、この列車では座ってあまり外が見えないか、さもなくばデッキに立っていかないといけない。なるべく早く降りたい。それですぐ降りてしまうと、杵築−宇佐間は特に普通列車が少ないので、足止めとなり本州での新幹線に乗る距離が増えてしまう。そう考えながら、本州での新幹線の距離、金沢からの普通列車での逆算、そして、この列車で小倉まで行くか、中津で降りるか、行橋で降りるか、という複雑な計算と、外の景色を見るということをデッキに立ちながら時刻表を見ながら、こなすということになってしまった。

 別府からはしばらく海沿いに走る。穏やかな海である。そして暘谷を通過するあたりから、国東半島を横断するために内陸になる。水田が広がる。そして杵築。ここで降りてはいけない。次の普通列車まで1時間50分も待たなくてはいけない。

 そう考えながら、計算する。行橋で降りるとどうやら、新幹線には新下関−広島間だけで済むらしい。後は普通列車で金沢まで帰られるらしい。そういうことが分かった。

 列車の方は、内陸部に入り谷を通る。普通列車のいくつかが終点となる中山香を通過し、谷が深くなる。そして、谷が開けたところで宇佐。この駅をローマ字書きするとある国の名前になるということはどうでもよくなってくる。そうして平野部を走り豊前長洲は通過し、柳ヶ浦。ここから普通列車も多いが、あわてずに、しばらく乗っておく。海に近いが平野部を少し海から離れて走っているため、ほとんど見えない。おそらくあの向こうに海があるのだろうという雰囲気だけは漂っている。

 そうして、中津に着く。すぐ横には、クロスシートのほとんど乗客が乗っていない普通列車が停まっている。よしあれに乗ろう、ということで高架駅のホームに降りてしまった。そしてすぐに隣の下関行きの普通列車に乗ってしまった。

 乗って時刻表を見ていたら気づいたのだが、新幹線を新下関−広島間で済ませるには、次の次、行橋まで行かなければならないのである。それを隣に空いた電車が止まっているということだけで降りてしまったのである。改めて時刻表を見直さなければならない。まあ、一人で行動しているので誰も恨むわけにも行かない。

 空いているため、クロスシートで足をのばして、別府で買ったおにぎり・パンをようやく食べることができた。風呂に2回入ってかなり時間が経ってからの朝食である。時刻表を見ていると、どうやら三原まで新幹線(こだま)に乗れば、あとは普通列車で金沢まで着くことができるようである。新幹線といっても同じ料金で乗ることができるひかりでは面白くないし、混んでいるかも知れない。どうせなのでこだまに乗りたいということで、今回のこだわりの一つがここにあった。

 中津を出てすぐに福岡県に入る。火力発電所が異様であった。その後は乗客も徐々に増えてきて、そのまま足をのばすというわけにもいかなかった。そのうち居眠りも混じってきた。とにかく、北九州市近郊の工業地帯を、だんだん町に近づきながら進んでいくという感じで、行橋からは本当に大都市近郊のような景色になった。城野で日田彦山線も合流する。もうここは北九州市内である。そして、小倉の市街地を迂回するようにして西小倉で鹿児島本線と合流する。これで今回の九州1周は終わったのである。

●西小倉−門司(鹿児島本線)

 西小倉から、小倉の市街地を通り小倉に着く。小倉駅も工事が終了しきれいになったようである。また訪れる駅であろう。小倉でしばらく停車し、そのまま本州へ向かう列車である。そのためにあまり新しい列車でなかなったのだが、それはそれでよい。そうして小倉を出発し、構内の広い門司に着く。

●門司−新下関(山陽本線)

 この区間だけのために、JR九州は交直流電車を所有しなければならない、という区間であるが、とにかく、北海道から本州への青函トンネルに比べると手軽な区間である。何度となく通っている関門トンネルを通り、下関に着く。下関では例によって1分程度しか時間がなく、すぐに乗り込む。ロングシート車である。今回は短距離なので座る必要もない。見たことのある景色を見ながら新下関に着く。

●新下関−三原(山陽新幹線)

 新下関で一旦外へ出て、それから再び中に入る。そして、新幹線乗換口までの長い通路を歩く。新幹線の16両編成に合わせてある通路なので、とても長い。そういうところを通り、新幹線乗換口まで着く。三原までの自由席特急券を買う。福山でも同じようであるが、福山まで行くと、尾道の景色を見ることができない。

 ホームに出る。乗るこだま号は4両編成なのでホームのどこにいてもよいというわけではない。また、ホームにある程度の乗客がいるが、これはその次のひかりに乗る乗客のようである。線路を見るとやはり在来線より広い。また、列車が来る方向を見ると、トンネルが口を開けている。新関門トンネルで、つまりここが山陽本線にとって「本州最後の地上」になるようである。しばらくすると4両の新幹線が入ってくる。東海道新幹線で0系の新幹線が廃止されたと言って騒いでいたが、山陽新幹線ではきちんとまだまだ走っているのである。しかも4両というのは博多−広島限定である。東海道新幹線になるとこだま号ですら16両なのである。

 乗ったが、すぐに発車しない。ひかり号かのぞみ号を先に通すのである。停車時間が長いということもこだまの特徴である。とにかく新幹線が通過していき、ようやく発車する。新幹線といっても所詮、レールの上を走る列車であり、原理は同じ事である。そのため、揺れが少ないなどの違いはあるものの、列車であることには変わりない。今まで新幹線に乗るときはどういう訳か通路側になることが多かったが、今回は単独行動である。よく考えると単独行動で新幹線に乗るということがはじめてなのである。それはそうと、席もあまり混んでいないため、窓側にゆっくり座ることができる。これもはじめてのことである。水田と住宅があるところを走り、トンネルに入っていく。そういう景色を繰り返し、新幹線の駅としては新しくできた厚狭に着く。何となく在来線が近づいているのが分かる。在来線がアンダークロスして分かれていき、山の中に入っていく。山陽新幹線は山しかないというイメージが強かったが、こだまでゆっくり乗ると地上部分もあるものである。山を越え、山陽本線でいうと厚東のあたりで、実際、在来線と新幹線がほぼ並行して走っているのだが、何となくそういう雰囲気が漂っている。在来線で見たような景色なのである。そして、再び山の中に入り、市街地が近づいてきて小郡。気づいたのだが、新幹線の各駅各ホームに信号を扱うための職員が必ず常駐しているようである。単に設備を作れば新幹線の駅ができるというものではないらしい。

 小郡を出て再び山の中に入る。国道や県道などと交差するときには必ずトンネルの外へ出ているのが面白い。そして、コンビナートが見えてきて徳山に着く。在来線からも見える景色であるが、新幹線の方が高いところを通ってるため、在来線よりも海・石油化学コンビナートともによく見える。徳山から山陽本線沿いではなく、岩徳線沿いを通る。トンネルとトンネルの間に、外へ出るところがあるが、去年の夏に乗った岩徳線からの景色が思い出されるところである。長いトンネルを抜け、新岩国。岩国市街地に住んでいるなら、岩国から在来線で広島まで行くだろうからほとんど乗ってこないだろうと思ったが、結構乗ってきた。隣にも人が座る。旧岩日線、限錦川鉄道の御庄駅が見えるかと思ったが、確認できなかった。再び山の中に入る。在来線ならば宮島が見える景色なのだが、当然トンネルで見えない。トンネルから出るといきなり広島の市街地で、横川駅付近であった。すぐに広島に着く。

 広島では2分の乗換で、隣に停まっている姫路行きのこだま号に乗り換える。広島発姫路行きというのもどうかと思うが、とにかく乗る。思った通り空いている。広島からは在来線であっても山の中を通るが、新幹線も同じで、長いトンネルを通る。それを抜けると住宅地が混じった水田の中であった。瓦の色が赤に統一されているのが面白い。そうしてそのような中で東広島。実際の東広島市の中心である西条とは少し離れている。その後はさらにトンネルを通り、しばらくして水田のある谷を通りながらまたもトンネルを通り、市街地に出てきて三原に到着した。

 

●三原−神戸−米原−金沢(山陽・東海道・北陸本線)

 三原で降りて、少しだけ外へ出る。そして、高架の在来線ホームへ行く。向かい側のホームでは呉線の列車が発車していく。しばらくして、糸崎行きの普通列車が入ってくる。糸崎は隣の駅であるので、座ることを考えずに隣の駅まで行く。

 糸崎から岡山支社管内となる。そのために乗換となる場合が多い。隣にほとんど乗客の乗っていない列車がありそれに乗り移る。新幹線の降りる駅を三原にこだわった理由が、実は糸崎−尾道−東尾道間の景色を見たかったのである。糸崎を出てしばらくすると海に沿って走る。瀬戸内海の島が浮かんでいる。そして、尾道の市街地となり、尾道。過ぎると独特な町並みを見て、向島とこちら側の造船所、そしてしまなみ海道の橋の下をくぐり、少し瀬戸内海を見る、という段取りで、行きでも見ているが、帰りでも見たかったのである。

 その後は特に知らないところでもないので素直に外を見る。基本的に山陽本線は好きな路線であるので、抵抗なく普通列車に乗っていることができる。やはり新幹線から乗り換えて、在来線の普通列車が自分の落ち着く先なのだと思う。新幹線も、今まで乗ったひかり・のぞみでなく、こだま号でゆっくりしていたのもよかったのではあるが。

 福山から快速列車が並行する。新倉敷あたりでこの普通列車を追い越すことになるので、急ぐなら向こうに乗ってもよい。特に岡山では時間がないわけではないのでゆっくりすればよいので乗換える必要がない。しかし、岡山支社の主要駅にある到着メロディーを聴いてみたい。福山ではすでに快速列車が到着した後なのでもしかしたら聞くことができないかも知れない。それならば笠岡で聴いてみようということで、笠岡まで普通列車で行くことにした。笠岡で降りて、一旦外へ出る。改札を通るときに、「ちょっと待って」と言われて、駅名小印という、駅名だけが入った小さな印をきっぷに押される。私の場合この印を無理に押してもらうように頼んでいないが、このように、単方向のきっぷだと押されることが多いようである。しかし、駅員はしばらく考えていたが、まさか北九州市内→金沢というきっぷがそう1日に何度もこの笠岡駅の改札を通らないだろうし、そういうことで、この区間内に笠岡駅が入るのかどうか、まずそれから検討したのだと思う。

 この駅の乗換案内が、普通列車ではなく、「井原行きバス」と、「○○島行きの船」というところが面白い。駅の周りを見ても独特な雰囲気が漂っていて、一度ゆっくり降りてみたい駅の一つである。

 その後はすぐにホームへ移動する。しばらくして、Webサイトでは何度か聞いたことのある笠岡駅の到着メロディーが聞こえてきた。こちらの方は笠岡の民謡で、反対側がもっと楽しそうな曲である。とりあえず生で聴けてよかったとおもう。終わった後の「プチッ」という音は、ホームで聴いても聞こえる音だったのである。

 入ってきた列車は少し前まで関西の新快速でよく見かけた列車で(今も見かけるが)たまに、何かのはずみで福山まで来てしまうようである。いつもはこの福山−岡山間の「SUNライナーという快速は、本当に昔関西の新快速として走っていて、本当に見かけなくなったものが使われている。とにかくその列車で、見たことのある景色を見ながら岡山に着く。

 岡山ではようやく昼食でうどんを食べる。うどんは必ず天ぷらうどんを頼んでしまうが、今回も同様であった。ここから金沢までは、前回の2000年1月2日と全く同じ列車で帰ることになる。姫路までは6両であることを知っているので、なるべくホームの端で待ち、姫路ではいつも通り乗換え、長浜でも何の混乱もなく乗り換えて、敦賀では少し走り、福井に着く。福井では50分近く待つことになる。とりあえずまた天ぷらうどんを食べる。同じ段落で2回も天ぷらうどんを食べているが、時間はそれなりに経っているのである。その後は、よく知っている駅なので特に珍しいこともなく列車を待つ。今回のような周遊券なら、福井駅に着いて、すぐに急行能登に乗り換えてもよいのかも知れない。とにかくいつも通りの駅に停まり、金沢に到着した。少し前なら、もう乗り換えがないのに「七尾線、羽咋、和倉温泉方面へお越しの方は乗り換えです。」という自動放送があったが、今回はなくなっていた。


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