この区間は3年前までは通学で平日は毎日利用していた区間である。そのため、できるだけいろいろな視点から書きたいと思う。ただし、忘れているところもあり、これについては今後補充していければと思う。一応、金沢→福井という流れで書いた。
注)以下の内容につきましては1999年12月の現状で書いてあります。その後、車窓が変った、線路の切換、接続する路線名の変更・合併等により自治体名が変更になったなど、現状と異なる内容のものが含まれています。1999年12月現在の内容での「旅行記」であるという認識で、あえて修正は行いませんのでご了承下さい。
金沢福井間の70数キロでは、JR線は一切分岐しない。そのため、すっきりしたものになっている。特急は主に富山・金沢から関西・米原・名古屋方面を結ぶ特急が走っているが、ときどき越後湯沢からの「はくたか」が福井まで乗り入れている。その他、大阪−新潟間の雷鳥、大阪−青森間の「白鳥」等が走っており、富山金沢間ほどではないにしてもにぎやかな特急街道である。そのため、この区間を普通列車で移動すると特急待ちの長時間停車になる確率が高い。場合によっては「雷鳥」と「しらさぎ」が連続して走っている場合もあり、その場合は12分程度の停車となる。
普通列車は、この区間を直通するものは1時間に1本ないし2本で、その他金沢−松任・美川・小松・大聖寺間、芦原温泉−福井間の区間運転がある。そのうち、金沢−松任・美川・小松間については七尾線からの直通であるものもある。編成は3両ないし6両である。475系という急行列車の改造、413系という片側2ドアの近郊型列車、419系という寝台座席兼用特急列車の改造車の3種類と、七尾線からの直通で415系800番台がある。(余談:このWebページで車両の形式の話をするのはここだけです。)数からいくと475系が最も多い。ただし、デッキと座席がドアで仕切られているものもあり、ラッシュ時には混雑の原因ともなっている。また、475系では最近行き先が一切表示されなくなったので分からない人は大丈夫なのだろうか。
最近は金沢−小松間の区間運転普通列車の少し後を、金沢−福井間の普通列車が金沢−小松間を快速として運転していることがある。
沿線はごく一部を除いて平野部である。水田が多い。途中、松任市、小松市、加賀市といった市街地も通る。また、大聖寺−芦原温泉間は石川・福井県境のため山間部を走る。多少のカーブがある。
海からさほど遠くないところを走るが、全くといってよいほど海が見えない。美川−小舞子間で手取川を渡るときにちらりと見える程度である。そのため、この区間は左右いずれの座席に座っても当たりはずれはない。天気の良い春ならば白山連峰の見える山側の方が良いかもしれない。また、進行方向右側ですれちがう特急を眺めるのもよいかもしれない。
(ここからは沿線風景です。金沢から福井へ向かう設定なので、右側が海側、左側が山側です。)
金沢を出ると、犀川を渡るまで高架上を走る。右側に増設されている高架線路は北陸新幹線である。金沢駅の部分の高架を先行して作り、ショッピング街をオープンさせてしまっている。以前、在来線が走っていた区間なので、土地については最初から用意されていた。また、右側に全日空ホテルと日本航空ホテルがあり、駅前のビル群を形作っている。
駅を出てすぐに、アンダークロスする道路が「金沢駅西通り線」で、高架化されてからできた道路である。そのあと金石街道をアンダークロスする。北陸本線が平面を走っていたときには陸橋で超えていた道路である。高架化の工事にあたって、一度その陸橋を通行止めにして、少し高い陸橋にし、高架線路を造ってその陸橋を壊したという工事を行ってこのわずかな区間の高架を完成させた。そのときのおかげで今は下の道路がスムーズに流れている。今では陸橋だったことが考えられないくらいになっている。
それからしばらくは市街地を高架で走る。右側の2キロほど先には金沢市の中心街にある北国新聞ビル・大和デパート等が見える。景観条例でビルの高さに制限があるため、ごく一部のビルを除いては高い建物がない。
犀川を渡る直前の左側には以前、大和紡績の工場があった。そこが閉鎖されてからはその建物の一部を利用して「市民芸術村」として使用されている。そしてそれが見え、道路をアンダークロスする。この道路は金沢の夜の中心街「片町」に続いていている。そしてすぐに犀川を渡る。右側から眺めると、金沢の中心街とその向こうの山、そして川と両側の緑地がバランスよく配置されている景色を見ることができる。この川までが高架区間で、その後が以前からある地上区間となる。ただし、しばらくは盛り土の上を走る。右側に中学校、左側に自動車学校を見て、住宅街を走る。左側に見える赤色の建物は新神田合同庁舎であり、その建物が見えるあたりで、金沢の市街地と北陸自動車道金沢西インターを結ぶ道路がオーバークロスしていく。
そのまま住宅地を走り、伏見川を渡ってすぐに西金沢に到着する。西金沢は1面2線であるが、いくつかの高校が近く、また、北陸鉄道石川線と接続していて、さらに近くに住宅が多いため乗降客は多い。北陸鉄道石川線はこの駅の前に踏切があり、駅前を急カーブで突き抜けている。この駅から北陸鉄道を北陸本線に乗り入れさせて金沢駅まで直通させるという話があったが、北陸本線は交流、北陸鉄道は直流で、交直両用電車も高いのでということでなくなってしまった。右側には日本たばこ産業の工場もある。また、貨物列車用の待避線もある。一度団体列車がこの駅で待避していたのを見たことがある。
西金沢を出て、北陸鉄道が急カーブで別れていく。金沢−西金沢間と同じように住宅地を走る。しばらく走り、団地の中に小さな川がある。これが十人川であるが、小さい割にはこの川の増水で運休になってしまったこともある。現在は少し川のルートを変え、その対策が施された川を渡っている。以前の川だったところは今は歩道になっている。その川が金沢市と野々市町の境界で、そこを通過してすぐに国道8号線がオーバークロスしていく。今まで平行していなかったので突然現れ気づかないことが多いが、これがそうである。そして8号線を過ぎるとすぐに野々市駅に到着する。野々市駅であるが、野々市町のはずれにあり、中心部は北陸鉄道が走っている。ただし、この付近の国道8号線沿いはSATYの進出など、発展がめざましい。
野々市を出ると、住宅地というより、水田が多くなる。そして、いつの間にか松任市に入っている。少しだけ水田の中を走るが、住宅地はあまりとぎれない。そして、建物が多くなり、県道8号線(松任宇ノ気線。金沢港を経由する)がオーバークロスし、右側にマンションがあり2面3線の松任に到着する。ここに停車する特急もある。また、右側に線路が多いが、そのままJR松任工場へ続いている線路である。ときどき入れ替えのため、この駅構内に半端な列車が停車していることがある。松任駅は以前はホームであんころ餅を売っていたが、今はどうなのだろうか。
松任を出ると、右側に神社を見る。左側には広い駐車場があるが、ここに車を止め、金沢市内へ列車で通勤するというパターンもあるらしい。隣の加賀笠間駅前にも広い駐車場がある。海側の住宅地へ向かう道路が2本オーバークロスしていくといよいよ本格的に水田の中を走り出す。普通列車に乗っていると今までとは明らかに違うスピードで走り出す。ときどき古い集落もあるが、右側を見ていると新興住宅地もある。千代野ニュータウンである。そのまま水田の中を走っていて、住宅地の中につっこんでいき、加賀笠間。2面2線だが、以前は2面3線だった跡がある。新興住宅地のようで、古い集落も混じっている。また、この駅の近くには金城短期大学もあり、時間帯によってはそこの学生が多く乗り降りする。
加賀笠間を出ると、再び水田の中を走る。右側を見ると、海沿いの県道、そして北陸自動車道がちらりと見える。ただし、これは知らないと気づかない。水田の中で松任市から美川町に入る。文化会館などの建物が見えてきて、いくつかの道路がオーバークロスしていき、市街地に入ると美川駅に到着する。この駅は橋上駅になったが、ホームはそのまま古いものを使っている。2面3線であり、金沢と小松の中間にあるため、特急列車の待避のための停車が多い。橋上駅になったのだから、2面4線になるのかと思っていたが、ホームと駅舎の管轄が違うらしく、そうはならなかった。ただし、駅自体は見違えるほどきれいになっている。
美川を出ると、普通列車の場合はスピードを上げない。ゆっくりと住宅地を通過する。そして、カーブを通過して手取川を渡る。今の、特に新幹線なら橋を川に対して斜めに架けてでも距離を短くしようとするが、北陸本線はそんなに新しくないため、多少距離が長くなっても橋を短くしようとするため、その前後にカーブがある。同じように、明峰−小松間の梯川、森田−福井間の九頭竜川でもその前後にカーブがある。カーブを渡って手取川を渡る。かなり海が近いが、すぐ横の県道の美川大橋、そして、その横の北陸自動車道がじゃまをして海が見えない。天気が良かったら北陸自動車道の先に何となく海が見える。右側だと、かなり向こうの国道8号線まで橋がない。そして、手取川を渡ると、畑や松の中を走る。海が近いので砂地であり、畑になっている。松というのも海が近い証拠である。県道がオーバークロスしていき、そして、住宅地の中で小舞子。住宅のすぐ横にホームがある。ここから海水浴場が近く、この駅自体がもともと海水浴場への臨時駅だったのである。2面2線で、無人駅であることが多いが、ときどき駅員がいる。
小舞子を出ると、右側にはやや広い道路が平行する。国道でも県道でもないが、さっきオーバークロスした県道(金沢美川小松線)と同じレベルに扱われている。そのため、トラックの往来が多い。この道路はそのまま安宅の関近くまで続いており、そのためか、根上町に入ったら「木曽街道」とよばれている。その木曽街道が別れていき、少し住宅地を走る。以前はこのあたりから林となっていて、この林の中で美川町と根上町の境界という感じだったが、この2〜3年で林がなくなって新興住宅地となってしまった。林改め新興住宅地を抜け、根上町に入り、少し工場がある。引き込み線もあるが、あまり本格的なものでもない。そして、住宅の多いところになり、役場などがあり寺井。駅名は寺井だが、寺井町は隣で、ここは根上町である。紛らわしいので根上駅にしようという話はある。以前は寺井・鶴来まで北陸鉄道が通じていた。その乗換駅という意味はあった。この駅は1面2線であるが、駅舎はやや大きい。駅舎へは跨線橋ではなく、地下道であること(跨線橋は駅の表から裏へいく歩道である。)、ホームの方面案内が、小松・福井・金沢だけでなく、上野や青森・大阪などが登場することからそのあたりの小さな駅ではないということが分かる。ただし、快速でも通過するものが多い。また、この駅のホームはカーブの途中にあるため、停車中は傾いている。ジュースの缶が転がるくらいである。さらに、6両連結の場合、車掌が前まで確認できないため、6両目が停車するあたりにテレビカメラのモニターがあるという駅である。
寺井を出ると、しばらく市街地を走る。商店街の断片を踏みきりでかすめ、その踏切で渡った道路のバイパス的な役割の道路がオーバークロスする。文化会館も見える。そして水田の中に出る。ただし、やや離れて住宅地がある。水田の中であるが、隣の明峰が近いため、普通列車はゆっくり走る。ようやく車がすれ違うことのできる道が並行する。小さな川を渡り根上町からいよいよ小松市にはいる。小さな川であるが、分かっていると特急に乗っていても気づく。また、このあたりに養鶏場か養豚場があり、ときどきそのにおいが列車内に入ってくることがある。このあたりから右前に白山が見える。特に3月あたりの晴れた日に雪が残っているのが最高である。普通列車なら遅れていない限りゆっくりと走る区間であるのでその景色を堪能することができる。そして、水田の中の集落を抜け、もう一つの集落に入り明峰に到着する。完全な無人駅であるが、ときどききっぷを集める係員がいることがある。駅前には中学校があり、かなり目立つ。
明峰を出ると、道路がオーバークロスしていく。8号線と空港を結ぶ重要な道路の一つである。そして、いくつかの工場を見ながら例によってカーブして梯川を渡る。渡ったあと、ここから高架化の工事のため、付け替え線を走る。工事中の臨時の線であるが、かなりしっかりしており、通過するサンダーバードでも速度を落とさないようである。そして、踏切をいくつか通る。市街地になっていく。そして、空港と8号線を直接結ぶ道路がオーバークロスして小松駅にさしかかる。駅自体も仮設のものであるが本格的な駅である。2面3線というのももともとあったものと同じである。
小松を出ると、右側に駅前を見ながら踏切をいくつか通る。そして、市街地を走り、だんだん住宅地になってくる。右側は住宅地が続くが、左側はまもなく畑や田が混じってくる。そのような中で仮設線路は今までの線路に合流する。この区間も松任加賀笠間間のように普通列車であってもスピードが出ている。ただし、小松駅で特急の通過待ちをした場合は前に特急が使えているせいもあり、さほどスピードは出ないが、特急が離れていく頃にはスピードが出ている。左側は住宅地からだんだん畑の含有量が増えてくる。そのうち右側に国道8号線が並行する。2車線しかなく、あまり交通量も多くない。というのも、この区間の国道8号線はここだけではなく、右側の少し向こうにある山の中に国道8号線小松バイパスというものが通っているからである。その山の手前には木場潟が見える。きちんと見ていないと潟(湖)であることが分からないが、よく見ると結構広い。だんだん畑が多くなってくるが、そのうち工場が増えてくる。そしてコマツ製作所関係の建物が増えてくる。引込線もあり貨物関係で構内が広い粟津に到着する。この駅は2面4線で、特急は停車しないものの、折り返しの多い小松駅の補完役として普通列車の長時間停車が多い。また、コマツ製作所の社員専用跨線橋もある。さらに小松短期大学も近く、学生がよく乗り降りする。駅前には商店街があるが、すぐに国道8号線に到達してしまうのであまり大きな商店街ではない。
粟津を出ると、畑に林が混じる。また、少し工場もある。そしてしばらく林と田の混じったところを走ると、やや広い畑に出る。そこを抜けると、踏切を渡る。ここが小松市と加賀市の境界である。踏切を渡った瞬間に水田の中に出てきて急に視界が開ける。特に右側は広い水田の向こうに片山津温泉の町が見える。さらに、この水田は冬の早朝、天気がよいときは霜が降りているときもあり、かなり幻想的な景色となる。片山津の町を望みながら水田の中を走る。右側の水田と片山津の町の間に柴山潟があるのだが、高低差がほとんどないため、全く湖面が見えない。そして住宅地に入り、道路がオーバークロスしていくと動橋に到着する。もと2面3線の駅であったが、まん中の線路は保線用に少し残っているだけなので実際は2面2線である。昔は粟津・動橋・大聖寺で特急が振り分け停車していた。これらの駅からは加賀温泉郷の各温泉へ向かう北陸鉄道の電車が通っていたが、現在はない。そして、特急列車は加賀温泉駅に停車するようになった。北陸鉄道の跡はこの駅の金沢寄りで見ることができる。元線路と思われる細い道が並行する。今の自転車置き場のあるあたりがホームだったような感じであるがどうであろうか。またこの駅はかつての特急停車駅の貫禄があり、ホームには洗面所まである。
動橋を出ると、少し上下線が別れる。おそらく以前は間にもう1線あって動橋駅構内を作っていたのだろう。住宅地がとぎれると、道路がオーバークロスしていく。工場の前を通り、左に道路が並行する。左側は遠くを眺めると水田である。右側はここまで来ると片山津の町は近い。右側に山がよってくる。そして、国道8号線と北陸自動車道・片山津温泉を結ぶ道をアンダークロスすると、右側に大きな観音像が見えてきて加賀温泉に到着する。この駅は特急が多く停車するが、駅前は長い間地権者とのからみで水田しかない駅だった。しかし、そのからみがどうにかなったらしく、急に平和堂ができてしまい、駅前は一変した。また、少し離れたところにはジャスコもある。右側は大きな観音像(ユートピア加賀の郷)があり、また住宅地が広がっている。
加賀温泉を出ると、しばらく水田の中を走り、右にカーブする。福井県に入るために方向が変わるのである。そして道路が2度オーバークロスしていく。右側に山が迫っている。2度目にオーバークロスした道路は山の中を通って大聖寺の町には行っていく道路である。そして、大聖寺川を渡ると、大聖寺の町にはいる。道路が何本かアンダークロスしていく。病院やユニーなどがあり、加賀市の中心である。そして、2面3線の大聖寺駅に到着する。駅前にはマンションやホテルが最近できた。
大聖寺を出ると、右側に大同工業の工場がある。左側には労働組合の建物がある。国道8号線がオーバークロスしていくと、いよいよ山の中へ向かう準備が始まる。山の迫った水田の中を走る。このあたりから、盛り土によって高度を上げていく。普通列車でもスピードがかなり出る区間である。左側には少し離れて国道8号線が並行する。8号線沿いには少し店がある。8号線と並行しながら左右の山の間隔が狭くなる。そして、国道8号線をアンダークロスする。こちらは少しずつ高度を上げているが、8号線の方は、北陸本線の下をくぐったあと、急に高度を上げているようである。8号線と交差をするとすぐに山の中に入ってしまう。秋になると紅葉がきれいな場所である。右側には8号線が同じ高さで並行する。そうするとすぐにトンネルに入る。1つ目はすぐに抜ける。そして山の中を少し走ったあと、やや長い熊坂トンネルに入る。熊坂トンネルなのか牛ノ谷トンネルなのかよく分からないが、「熊坂」が石川県側、「牛ノ谷」が福井県側の地名である。とりあえずこの峠は「牛ノ谷峠」というのは確かである。このトンネルの出口付近が石川県加賀市と福井県坂井郡金津町の境界線である。そして、山の中なので気づかないが、北陸自動車道がオーバークロスしていく。北陸自動車道との交差は、東金沢−森本間以来である。北陸自動車道と交差するとすぐに牛ノ谷に到着する。1面2線の小さな駅である。金沢福井間で唯一跨線橋も地下道もない駅で、ホームへ行くには上りの線路上を横断しなくてはならない。駅前は家が少しある程度だが、少し離れたところに集落がある。この駅と次の細呂木は、中学生が通学のために使用する駅でもある。
牛ノ谷を出ると、右側にゴルフ場の断片が見える。左側には牛ノ谷の集落と北陸自動車道が見える。そして、水田のある谷を走る。この区間は複線化の時に少し改良されたものの、カーブが多い。水田のところではなく、山裾を走っているためである。その山裾にだいたい忠実に線路が引かれている。少し単線時代の線路が放棄されたあとがあるものの、ほとんどは古いままのようである。金沢福井間で最もカーブが多いと思う。そのようなところをしばらく走ると、右側の谷が開けてくる。開けたところに伸びている道路は、海沿いの北潟湖まで続いており、そのまま県境付近まで達している。その道路と牛ノ谷から来た道路が交差して、少し集落がある。郵便局や小学校があり、細呂木。1面2線であるが、こちらは跨線橋がある。ただし、無人駅である。駅前には町営バスのバス停がある。
牛ノ谷を出ると、少し集落の中を走る。福井鋲螺という、ねじとしては世界レベルの技術を持つ工場がある。しばらくはカーブがあるものの、やがて、水田の中を走り出すと、直線になる。牛ノ谷細呂木間よりも高度が下がっていて、また、山裾ではなく水田の中を走るのでカーブは少ない。少し離れて道路が並行する。そのような谷をしばらく走ると、町が見えてくる。そしてややきついカーブがある。このカーブによって完全に線路は南北方向に走り出す。道路がオーバークロスして、ショッピングセンターなどが見え、市街地を走り芦原温泉に到着する。到着直線に京福電鉄・国鉄三国支線のあとが右側に見える。芦原温泉は芦原町にあるのではなく、金津町にある。以前は金津駅であった。温泉街はバスなどで行くことになる。この駅は2面4線で、福井から来た普通列車が折り返しになることも多い。その場合は1番線を使用する。福井行きの列車が1番線と3・4番線いずれかから発車するというのは分かりにくいので、折り返しには4番線を使った方がよいと思うが、どうも三国支線があった頃の名残らしい。また、この駅は橋上駅である。
芦原温泉を出ると、左側に京福電鉄の跡が別れていく。丸岡を通り、東古市まで通じていた線である。左側は水田である。竹田川を渡り、右側は住宅地から水田になると、直線区間となる。この芦原温泉−丸岡間はかなり昔に駅があったらしいが、今はない。そのため駅間距離が長く、さらに水田の中でもあるので、ここも普通列車がスピードを出す区間である。少し離れて集落があるものの、基本的に水田の中である。また、右側の向こうの方に店などが連なっているが、芦原街道という県道沿線である。水田の中で金津町から坂井町になるため、明確な境界線は分からない。住宅地に入っていき、そして、2面3線の丸岡に到着する。2面3線と書いたが、つい最近、まん中の線路が取り払われ2面2線になってしまった。芦原温泉の線路の数が多いため、無理してこの駅まで待避可能駅にする必要もなかったのか、それとも職員の関係か、とにかく待避できない駅になってしまった。以前はこの駅で12分停車という列車もあったし、特急列車が遅れたときなどにこの駅で待避というパターンもあった。ただし、構内はあまり広くないため、下り列車の本線は福井方面からこの駅に入るときにカーブする。カーブしなければまん中の待避線に入ってしまうような形である。また、この駅は丸岡町にあるのではなく、坂井町にある。根上町と寺井駅と同じ関係である。この駅も以前は丸岡までの京福電鉄があった。現在はバスがある。
丸岡を出ると、工場の前を通る。京福電鉄がオーバークロスしていた陸橋の跡がある。(最近なくなったようであるが、記憶が明確ではない。)そしてすこし住宅地を通ったあと、再び水田の中を走り出す。道路がオーバークロスすると、右側の少し向こうに福井空港が見える。これも知らないと気がつかない。この空港は以前は、プロペラ機の旅客扱いをしていたが、現在はセスナ機などの自家用機のみの空港になっている。ジェット化するために拡張しようとしても周辺住民の反対が激しいためと、小松空港があまり遠くないためである。確かにこの空港は集落に近い。また、金沢から小松空港へ行くのと、福井から小松空港へ行くのは大きく変わらない。そうしているうちに、新興住宅地の中を走り、春江に着く。このあたりの新興住宅地は、この数年の話である。住宅地ができたおかげで、線路をまたいでの道路を何本か造る必要があり、踏切ではなく線路の下を通す形となった。建設中はその区間のみ徐行運転ということで、この区間はよく徐行した時期があった。春江駅は1面2線である。跨線橋を渡って駅舎へ行くわけであるが、改札口と上り線路の間に庭がある。
春江を出ると、少し市街地を走る。道路をアンダークロスし、そして、住宅地を走ると踏切を渡る。この踏切の前後が春江町と福井市の境界である。踏切を渡り、少し水田を眺め、工場がいくつかあり、森田に到着する。2面2線で、駅舎や待合室は新しくないがピンク色のペンキを塗っている。駅前にマンションができているが、この2〜3年の話である。また、駅前の自転車置き場も4〜5年前にきれいになった。工事中の暫定自転車置き場が、現在マンションが建っているあたりである。この駅は仁愛女子短期大学が近く、学生がよく乗り降りする。また、5〜6キロ先に福井県立大学がある。一応、その大学の最寄り駅であり、自転車との併用で通学が可能なので、この駅を利用する人がいないわけではない。(私は4年間、そのパターンで通学したのであるが。)
森田を出ると、右側は水田、左側は市街地になる。森田地区自体は福井市であるが、以前は独立した町であった。そのため、町と同じように市街地という感じがする。また、これから九頭竜川を渡るために少し高いところを走っている。高架で町を見下ろすと、大きく感じるのであるがその現象がここでも起こっている。例によって大きくカーブして九頭竜川を渡る橋にさしかかる。そして、上下線が少し別れて九頭竜川を渡る。九頭竜川を渡ると水田の中を走る。少し離れて住宅地もある。進行方向には福井の市街地が見える。少しだけ水田の中を走ると、市街地にはいる。この区間も駅間距離が長く、普通列車でもスピードが出る区間である。市街地に入り、住宅地や工場、学校などの近くを通り抜ける。右側には卸売市場もある。このあたりから、高架の工事が行われている。小松よりも先に工事にかかっていたようであるが、京福電鉄も抱えているため、進捗はこちらの方が遅いようである。そして、京福電鉄三国芦原線がオーバークロスしていく。三国芦原線の方が急カーブでこちらに並行する方向になり、再び線路が近づいてくると、京福電鉄の車庫が見えてきて、越前本線も合流し、福井口駅になる。そのまま京福電鉄が並行する。複々線区間のように見えるが、電線などの設備が違いすぎるため、やはりJRと私鉄になってしまう。向こうの方に新福井駅があり、すぐに踏切を渡る。そして、右側の方は商店街が始まる。福井駅の構内にさしかかり、福井に到着する。