注)以下の内容につきましては1999年12月の現状で書いてあります。その後、車窓が変った、線路の切換、接続する路線名の変更・合併等により自治体名が変更になったなど、現状と異なる内容のものが含まれています。1999年12月現在の内容での「旅行記」であるという認識で、あえて修正は行いませんのでご了承下さい。
福井−米原間は金沢−福井間と違って毎日乗っていたわけではないので、それほど詳しく書かない。ただし、どんどん追加していくつもりである。
福井を出ると、市街地を走る。商店街の断片が見える。国道158号線につづく県道がオーバークロスしていき、すぐに足羽川を渡る。そして、住宅地を通るが、線路自体は多くなる。南福井駅(貨物駅)にさしかかるためである。以前はこの駅から越美北線が分岐という形になっていたが、今は越前花堂が分岐駅のようである。貨物駅が落ち着き、元の複線になり越前花堂。駅前に会社のビル、裏には工場がある。右側に越美北線のホームがあるが、もう別れてしまったところに無理やり駅を作ったような感じで、離れていて両者のホームに角度ができてしまっている。その後は、水田が多くなってくる。少し離れて福井鉄道が並行しているが、よく分からない。国道8号線がオーバークロスしていく。水田が広がり、しばらくすると大土呂。駅前に自動車学校がある。その後は少し山のなかに入るが、一時的なもので基本的に水田の中ある。左側に北陸自動車道が並行する。走っている車がしっかり見える。右側は少し離れ水田を挟み国道8号線が並行している。そして、谷が開け、工場が増えてきていくつかあるところで北鯖江。工業地帯のようだが水田も混じっている。そしていつの間にか鯖江市に入っている。化学工場、化粧品工場など石川県ではあまり見ないタイプの工場である。水田の中を走り、家が増え道路がオーバークロスする。さらに家が増え市街地になってくると鯖江。駅の前後で道路がオーバークロスしたり複雑な形をとっているのが印象的である。鯖江を出ると、田や畑の中になり、上下線が別れて日野川を渡る。この川もそうであるが、福井県の嶺北地方の川は基本的に九頭竜川に注いでいるようである。日野川を渡ると今まで気づかずに並行していた福井鉄道が姿を現し、市街地の中で武生に到着する。福井鉄道の武生新駅はJR武生駅よりも手前にある。神戸の三ノ宮あたりで阪急電車などが並行する姿とだぶってしまうのだが規模が違う。
武生を出ると、いよいよ山の中に入る準備になる。川が迫ってきて、山も両側に迫り、国道365号線と並行して、王子保。そのまま谷になってくるが、高さは変わらないまま日野川と365号線に並行して南条。国道の他に北陸自動車道まで並行してくる。景色もやや高い山がすぐ両側に迫ってきて、このあたりも独特な雰囲気がある。そして、北陸自動車道の今庄インターの近くに湯尾。この駅前にはちょっとしたコンビニのようなものがあるがあとは住宅が少しある程度である。山が深くなりトンネルも通り、抜けると町らしくなってきて今庄。構内が狭いが2面4線である。そのためホームが狭い。このあたりは沿線の他が雪が積もっていなくてもここだけ雪が積もっているという場合もあるところである。そして、北陸トンネルができる前の旧北陸本線の道路が右側に分かれていき、トンネルを通り、南今庄。ここまで来ると、駅前には何もない。南今庄を出るとすぐに北陸トンネルになってしまう。長いこと日本一の鉄道トンネルであった。現在は上越新幹線に長いトンネルができてしまってそうではなくなっている。さらに青函トンネルまででき、順位が落ちてしまった。青函トンネルを通るとやはり短く感じるが、毎日通学でここを通る人の話によるとやはりうんざりするようである。北陸トンネルを出ると、北陸自動車道や8号線バイパスなどがオーバークロスし、市街地に入り、敦賀に到着する。駅の裏は気動車の車庫である。
敦賀を出ると、下り線とは大きく離れて走る。小浜線と別れていくのが見えるのは下り線の方である。下り線との間に機関区がある。国道8号線がアンダークロスし、そして左にカーブして谷に入っていく。谷を走りトンネルをくぐる。左側に少し水田を見て、8号線、川、そして下り線をオーバークロスする。下りの方はこのままさっと新疋田へ向かっているが、そうすると勾配がきつくなる。上りの方はその勾配を緩和するために、山を一回りして登っていく。ループ線である。山に向かって走っていき、トンネルを抜けるとさっと視界が開ける。さっき通った敦賀の町が見えるのである。この真下には小浜線が走っており、西敦賀の駅から山裾を走る北陸本線の列車を見ることができる。そして、またトンネルを通る。トンネルを抜けると、視界が開けるが、敦賀の町ではなく、さっき下り線をオーバークロスしたときのような谷と水田の景色である。つまり、山を一周したことになる。そのまま、山を登っていき、しばらくすると左下に下り線が見える。トンネルを抜けると右下に下り線が見える。きちんと合流して新疋田。鉄道写真を撮るにはよいところらしく、写真を撮っている人もいるし、カメラをもった人が多く降りていく駅である。また、車で来る人も多く、車も何台か停まっていることが多い。その後は長いトンネルに入る。深坂トンネルで、このトンネルができたことにより、北陸本線のルートが変わった。しかし、北陸トンネルを通ったあとなので、長さは感じない。また、このトンネルの中に福井県と滋賀県の県境がある。トンネルを抜けてしばらくすると、上りと下りの線路が複雑になる。というのも、このあたりから近江塩津駅構内ということで、北陸本線と湖西線が分岐を始めるのである。複線同士の完全な立体交差での分岐で、しかも、どちらも特急の場合近江塩津を高速で通過するため、スピードを落とさないような方法、そして谷で用地が狭く、積雪量が多いためそのための対策云々ということがこの分岐を複雑にしている。とにかく、オーバークロスとアンダークロスが入り乱れて、湖西線・北陸本線の上り下りの計4本の線路が並び、それと待避線などが分岐して近江塩津駅のホームにようやく到着する。国道8号線に沿っている、近くに集落もあるが、あくまでこの駅は分岐のための駅で、乗客に対する駅員はいない。夏になるとこの駅に停まりドアが開くとセミの鳴き声が車内にもけたたましく聞こえる。
近江塩津を出ると、さっと湖西線が高架橋で別れていく。別れ方あっけないが、それまでの線路の分岐に時間がかかっていたのである。湖西線と別れると、いくつかのトンネルをくぐり、余呉湖が見えてきて、余呉。しばらくは細い道が並行するが、そのうち国道365号線と並行する。この道路は、今庄の少し前まで並行して、敦賀を通らずに山を越えてここで再び合流する。山を越えている間に、北陸トンネルの上を通っている。365号線と並行して、北陸自動車道の賤ヶ岳パーキングエリアを見ているうちに市街地になり、木之本に着く。ここからは、水田があり、集落や市街地のあるところに駅があるという形である。琵琶湖が近いが、湖西線と違って高いところを走っていないので、湖面はほとんど見えない。そのようなところを河毛・虎姫・高月と過ぎ、電機一瞬消えて長浜に到着する。
以前は、普通列車にとっても乗降客の多い途中駅に過ぎなかった長浜であるが、この駅まで直流区間となり、新快速列車が30分に1本乗り入れるようになった。そのため、北陸本線の普通列車の多くがここで折り返すようになり、普通列車で移動するときの乗換駅となってしまった。ただし、2面3線で、1番線が上りで特急列車などが通るが、2番線が下り本線かつ北陸本線の折り返し線、3番線が新快速列車の折り返し線で、2番線が特急通過用と、北陸本線の折り返し用を兼ねているため、あまり長いこと北陸本線の折り返し普通列車を停車させておくことができないようである。また、2番・3番線のあるホームは北陸本線←→新快速の相互の乗換に使われ、階段を上らなくてもよいが、狭いためどうも無理があるように思われる。
北陸本線の普通列車が3両で、新快速は長いので(何両か忘れた)乗換には多少のテクニックでさっと乗り換えることができたり座ることができたりする。北陸本線からの乗換は、降りてその場所で列車を待っていると、人がたくさんいるので、新快速で降りる駅にもよるができるだけ前、特に一番前へ行くと確実に座れるし、トイレもある。ただし雨が降っているとホームの屋根がない部分へいくため濡れる。逆に新快速から北陸本線に乗り換えるときは、米原を過ぎてから、前から3両以内にいると、長浜駅では隣に北陸本線が待っているという形になる。特に後ろだと、長浜でその分歩かねばならず、その間に席を取られてしまう。ただし、前に移動する人はかなり多く、決して裏技ではない。
長浜駅前は平和堂などのデパートもあり、駅の裏には旧長浜駅の資料館もある。長浜からだいたいは新快速列車となる。ただし、米原までは普通列車である。そのため、水田の中の集落にある田村・坂田はきちんと停車する。新快速列車乗り入れにともない、どちらも異常に長いホームとなってしまった。確実に座って、しかも高速で大阪まで直通できる幸福な駅である。坂田を出ると、東海道本線・東海道新幹線が合流してきて、東海道新幹線がオーバークロスし、米原駅に入る。米原駅の新幹線ホームはなぜか地上にあり、在来線と同じ高さで、新幹線という気がしない。また、この駅は、以前乗換でかなり走らなければならない駅だったが、今はホームが1ヶ所に集められたようで、乗換がしやすくなった。というよりも、乗換の大半がこの駅ではなく長浜になったため、通過駅になってしまった。名古屋・大垣方面から大阪方面へ青春18きっぷなどでいく人たちはここで乗り換えるが、北陸方面から来た人たちが一足先に新快速列車に乗っているため、こちらとしては有り難い。ただし、名古屋方面へいくときは長浜と米原で乗換をしなくてはならなくなった。圧倒的に大阪方面へいく方が多いのでそれでよいが、場合によっては不便である。