JR各線を巡る旅の記録

29 東北沿岸部 6日目


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6日目・2000年8月18日
 【盛岡】8:08発−(普通)→【一ノ関】9:37着、9:47発−(普通)→【小牛田】10:33着、10:37発−(普通)→【石巻】11:12着、12:26発−(普通)→【女川】12:54着、13:01発−(普通)→【石巻】13:29着、13:58発−(快速うみかぜ)→【あおば通】14:57着…(徒歩)…【仙台】15:20発−(普通)→【岩切】15:29着、15:34発−(普通)→【利府】15:40着、15:59発−(普通)→【仙台】16:19着、16:30発−(普通)→【福島】17:50着
 盛岡からの南下と、仙台周辺の乗りつぶし。この数日ずっと見ていた三陸海岸のけりを付ける松島海岸を眺める。それと、いずれは乗っておかなければならない岩切−利府間。福島へは早めに着いて早めにカプセルホテルで寝る。

●盛岡−小牛田(東北本線)

 ということで、駅前にカプセルホテルがあるというのは楽なもので、ぎりぎりまで寝ていることができる。それに甘えて、結構ゆっくりすることができた。駅の構内でうどんを食べようとする。うどんを頼むと「少し時間がかかるよ」と言われる始末。北陸ではうどんよりそばの方が時間がかかるのが常識であるが…。まわりをよく見ると、そばを頼んでいる人が圧倒的に多い。うどんになるかそばになるかは県民性というものがよく出るようである。

 盛岡から、一ノ関で乗り換え、小牛田まで、ロングシートの列車が続く。最初はあまりいい印象を持たなかったが、次第になれてきて、別に悪い代物とは思わなくなってきた。新しいし、加速もいいし。これに乗ると東北に来たんだなという感じになってきた。

 盛岡を出て、市街地を抜けて水田と住宅。紫波中央までは高校生の乗り降りが多い。また、紫波中央までは新幹線が並行している。道路が在来線を陸橋でまたいでいるところは、新幹線の方はさらに高い高架になっている。それを、高い高架でなく、在来線と同じ高さにしてしまうのが「長野新幹線」である。十数年の間に新幹線の作り方は変わってきている。

 そうして、両側には、かなり離れて山が広がる。日詰を過ぎると家が農家的になってくる。ときどき村のようになっている。住宅が増え石鳥谷。同じように繰り返し花巻空港。そうして古くからありそうな町を通り、住宅が増えてきて花巻に到着する。

 花巻から北上までは、昨日も通っているので詳しく見ない。

 北上を過ぎると、新幹線の長い橋が見える。新幹線は川でも遠慮なく斜めに橋を架けてしまう。おかげで長い橋になってしまう。今はそういうぜいたくな作り方をするのだろうか。農家的な家が多くなり、六原から林が増えるが、住宅が増えてきて金ヶ崎。その跡は水田が広がり、北上川に注いでいる支流を渡る。コンクリートの溝やパイプなどが沢山並んでいる製管工場が広がる。店などが増えて水沢。そのあとは乗客が増えて落ち着かなくなるのでちょっと省略。

 一ノ関で乗り換える。跨線橋を上り下りしたあと、さらに歩く。ホームの端の方に、列車が停まっている。ワンマン運転である。「東北本線」であるが、ワンマン運転の列車が惜しげなく走っている。

 一ノ関を出ると、山の方へ。新幹線も山の方へ入っていく。谷を通りトンネルへ。そのまま谷を通り、山から出てきた新幹線がオーバークロスし、有壁。谷が広くなり清水原。住宅が続き、それが多くなり花泉。そして谷が、東北本線にしては狭いものになり、水田の中へ。住宅が少ないところで油島。谷が広がって水田が広がる。町が前方に見え、その中に入っていき、石越に到着。

 石越を出ると、水田がとても広がる。しかし、谷に入ってしまい、新田。そのあと山を越える。水田が広がり、また山へ。そういう間に梅ヶ沢・瀬峰・田尻と過ぎていき、水田が広がって小牛田に到着する。

●小牛田−女川−石巻(石巻線)

 小牛田ではそんなに時間がないので、さっと乗り換える。ちょっと古い気動車であるが、片側は2人がけ、反対側は1人がけの椅子で、かえって気を使わない。非冷房車であり、風が入ってくるのを楽しむことができる。

 小牛田を出ると、さっきから走っている広い水田の中を走る。そうして上涌谷。右側は水田が広がり、左側は道沿いに店などがある。少し町になり、涌谷。住宅地を抜け、水田と畑の中を走る。左側は川の堤防らしきものに沿う。右側は水田。そのうち左側の堤防らしきものは離れていき、両側が水田になる。前方に山があり、短いトンネルを抜け、両側が水田。少し住宅があり前谷地。以前、気仙沼線からここへ来たとき、駅のまわりの寂しさに驚いたが、今日も同じ景色が広がっている。紀勢本線の多気に似ている。

 前谷地を出ると気仙沼線が別れ、水田が広がる。その水田がいつの間にか豆畑に変わるのだが、また水田に戻る。住宅が混じり、畑も混じって佳景山。駅を出てすぐ水田が広がる。しばらくは水田の中を走る。住宅地が前方に見え、そこへ入っていき、しばらく走り鹿又。住宅地を抜け水田。高速道路建設中の盛土・高架がある。左側に山が近づき、水田や畑が混じる。住宅が増え、曽波神。前方に山が見え、トンネルへ。と思いきや右側には山がなく、山からそれていく。川の堤防に沿って走り、離れて住宅が増え、町になってきて石巻に到着する。

 石巻で少し時間があるので、駅前などを少し歩く。以前は石巻線と仙石線、別の駅舎を構えていたが、現在は同じになっている。何となく当時の駅舎があった場所が分かる。ティッシュを配っていて、何回か通るといくつかもらうことができた。旅の途中では特にありがたい。その他、ビブレのまわりを歩く。「サティー」と「ビブレ」、どう違うのだろうか。青森駅横にはビブレがあったような気がする。石巻駅の放送、なんか金沢へ帰ってきたような気がする。声やらコールサイン、その他、金沢駅と同じであった。石巻からさらに女川を目指す。早めに列車に乗り込む。

 石巻を出て、住宅が続く。川を渡ると、水田だが新しい家が多い。そうして陸前稲井。水田から山へ入っていく。抜けて水田。住宅地の中へ入っていき渡波。その後は、工事中の広いところを通る。住宅を造成しているようである。前方に山があるが、岩がむき出しの部分がある。おそらく、昔はそのあたりまで海だったのだろう。そこを離れてしばらくして万石浦。左に住宅が続く。右側に万石浦が見える。何となく、リアス式海岸の深い湾の奥という感じがする。渡波あたりの地形からこれは湖に分類されるのか海に分類されるのか。そうして水産工場の前で沢田。万石浦では海苔の養殖もしているようである。しばらく万石浦を眺める。穏やかな海に見える。海の匂いが車内に入ってくる。万石浦とは逆の側の座席に座っているのだが、そこまで海の匂いが入ってくる。万石浦の端のところで浦宿。住宅を見ながら登っていき、トンネルへ。抜けて住宅があり、女川に到着する。

 女川ではほとんど時間がない。駅舎を眺めてすぐに折り返しとなる。「乗りつぶし」ということをやっていて何となく寂しくなるときであった。帰りは万石浦をゆっくり眺めて石巻まで戻る。

●石巻−あおば通(仙石線)

 再び石巻に戻ってきたが、ここからは仙台へのショートカット、仙石線に乗る。仙石線はロングシート車であるが、この経緯については有名なので省略。ホームの構造上、前へ行くほど空いている感じだったので、一番前の車両へ行く。

 石巻を出て、盛り土から住宅地を見下ろす。下がって住宅密集のまま陸前山下。住宅が続き蛇田。普通の住宅地から新興住宅地になり、水田になる。その後新しい住宅が増え陸前赤井。川を渡り、古い住宅が混じるが新しい住宅地の中を走る。工場があり、団地の前で東矢本。住宅が増えてきて矢本。この列車は快速列車なので、ここからいくつかの駅を通過する。

 矢本を出て、水田が広がり、鹿妻を通過。さほど住宅がなく、高速道路がオーバークロスする。水田から住宅地になり陸前小野を通過。駅の向かいに航空用アンテナが目立つ。両側が水田になる。川を渡るがその前後の線路が新しい。向かい側に廃線の跡がある。付け替えられたらしい。少し山に入るがさっと抜け、住宅地になり野蒜。軽く山を越え、住宅があり東名を通過。住宅地で、松もある。海が近いと思ったら、思った通り海が広がる。海苔の養殖をしているところが見える。島がいくつも見える。この数日、三陸海岸をよく見てきたが、そういう形の海岸線のケリをつけるところのようである。海のすぐ近くで陸前大塚を通過。海に沿って走り、さらに湾の奥で陸前富山を通過。その後すぐに水田から山へ。しかしすぐ山を抜け、水田の中を走る。所々に岩が転がっていて、この場所が海だったであろう名残がある。水田の中の林の中で手樽を通過。水田から少し山を抜け、住宅が増え高城町に到着する。この駅では反対側の列車とすれ違う。

 高城町を出て住宅を抜け、隣に東北本線が並行する。東北本線の普通列車が併走するが、こちらが追い越してしまった。そして山を抜け海が見え、松島海岸。駅の裏に水族館がある。ここから次の陸前浜田までの間に、2回東北本線と立体交差することになっている。1回目は気づかなかった。山の中に入っていき、トンネルをいくつか通る。そうしているうちにいつの間にか東北本線が海側を走っている。それから東北本線をオーバークロスして陸前浜田を通過。少し海が見え、トンネルを抜け海が広がる。島がいくつも見える。家が多くなり、高架・複線になって東塩釜を通過。列車が2本停まっている。高架から町や港を見下ろす。大きい町に見える。高架のまま本塩釜に到着。

 本塩釜を出て、高架で町を走り、すぐに盛土の上で西塩釜を通過。カーブがきつい。そのまま住宅地の中を走り、下馬を通過。住宅が続き、前方にデパート。何となく大都市近郊という感じが強くなる。そうして多賀城。住宅地やマンションの多い中を走り、それから水田が混じる。新しい住宅が増え中野栄を通過。かなり高速で、揺れる。住宅やマンション・水田の中を走り、陸前高砂を通過。川を渡り、ほとんど水田がなくなる。住宅や店が多くあり福田町を通過。車両区が見え、右側に水田が広がる。左側は水田と畑の混じる住宅や店など。アパート・住宅・工場があり、川を渡り高架へ。苦竹を通過したと思ったら地下に入る。地下に入ってすぐ陸前原ノ町を通過。その後は地下鉄を通っている気分になり、宮城野原、榴ヶ岡を通過し、仙台に到着する。仙台すら途中駅という感じで、そのままゆっくりと新線区間を走り、あおば通に到着する。

●あおば通−仙台(徒歩)

 そのまま列車で、仙台まで戻ってもいいのだが、せっかく短距離の駅間区間、歩いてみることにする。あおば通駅は地下鉄の駅のようである。しかし、改札が有人改札であったことで、少し安心感を覚える。

 そのまま地上へ出る。もう仙台駅が見えている。迷うことはなく、そのまま仙台駅へ向かえばいいだけである。途中信号が赤で、止まる。そして、仙台駅前の陸橋を登る。駅の中に入り、少し改札まで距離がある。あおば通駅の改札から仙台駅の改札まで6分30秒。富山港線の東岩瀬から大広田まで4分30秒だったので、2分多くかかっているが、信号と、あとはあおば通りを仙台駅に向かって左側ではなく右側を歩くと、改札までもっと近かったに違いない。

 仙台駅。有人改札が並んでいる。何となく、自動改札が似合いそうな風景であるが、有人改札であることに再び安心感を覚える。

●仙台−利府−仙台(東北本線)

 ここから岩切までは普通の東北本線。その岩切から利府まで、通称「利府支線」という名の東北本線である。「のりつぶし」ということはそこも無理やり通らなければならない。そういう宿命である。私の場合、そういう支線系はなるべく乗れるときに乗っておく、ということで、今回乗ってしまうことにする。

 ロングシートの列車で岩切まで。途中、東仙台がある。市街地から水田になっていく。新幹線が並行する。岩切で利府行きの列車に乗り換える。やはりそちらもロングシート。右側は住宅から水田になっていく。そして住宅になり、新利府を経て利府。ちなみに左側は在来線の車両基地からそのうち新幹線の車両基地になる。黄色い新幹線も見える。それが途切れて利府駅。6月に利府町の人口が3万人になったらしく、そのお祝いの横断幕が架かっている。とりあえず、駅前に出て、それから同じ列車で仙台まで直通する。

●仙台−福島(東北本線)

 ここから福島まで。今日は明るいうちに福島に着いて、おしまい。旅の期間も長くなってきている。早く寝ることにしよう。

 仙台駅で「岩沼 大河原 伊達方面 普通列車福島行き」という放送を聴く。今回の旅からこの手の放送に注意することになったが、この駅も行き先毎に並ぶ駅が違っているようである。その1年弱後、この放送を聴くために再びこの駅を訪れることになる。

 岩沼までは混雑しており、ドアの前に立っていた。仙台市街地から住宅地になっていく。基本的に市街地から住宅地になっていく様子は、ビルのバランスなどからよく分かる。名取りの次、東仙台では「仙台空港方面出口」というものがあり、ハングルでも案内板が書かれている。その駅を過ぎると、仙台空港へ続いているであろう広い道があった。

 岩沼を過ぎると、水田の向こうに工場や山があり、住宅が増え槻木。阿武隈急行の線路が東北本線の上下線の間から別れ、オーバークロスして別れていく。もともと本線として建設されただけあり、別れ方も本線的である。住宅や日立の工場があり、川が並行する。住宅が増え船岡。川と住宅・水田と畑という景色が続く。その中で町があり大河原。仙台駅で「方面」の中に出てきたり、普通列車の一部を終点にさせてしまう駅。それから同じように走り、白石市に入る。水田・畑の間に入り、川が別れていく。そしてしばらく走り北白川。広い谷。水田と川、住宅がある。東北本線が直角にオーバークロスする。前方に山が見える。川の方は林で川面がよく見えない。その間に東白石があるのだが、メモではちょっと抜けている。川との間に畑と水田。トンネルを通り抜けると川面がよく見える。太陽の光が反射している。川が別れていき、水田。軽く山を越え、綿などの工場があり、住宅が増えてきて白石に到着する。北陸本線で走っているような普通列車が仙台行きとして停車している。

 白石を出ると左側に新幹線が並行する。右側は水田があり、向こうの山裾に住宅が並んでいる。新幹線がオーバークロスする。住宅が減ってくる。谷になってくる。左側がすぐ山で、右側は住宅と水田を見下ろす。高速道路がオーバークロスする。そうして山へ。ときどき水田がある。少し住宅があり越河。すぐ住宅が増え、右側に少し水田が広がる。高くなる。左側は水田や住宅を見下ろす。谷の対岸にある高速道路も山を登っているという感じがする。高速道路がオーバークロスし、山の中という感じになる。ガソリンスタンド等があり貝田。標高が182mということ。乗ってくる人が数人いる。すでに福島県に入っている。

 貝田を出ると、左側は広い盆地に水田や町があるのを、かなり高いところから見下ろす。山を越えて、福島盆地を見下ろすということになる。姨捨ほどでないにせよ、なかなかよい景色で、割と単調な東北本線の中でも、ハイライトの部分になりそうな感じである。その盆地に向かって、一気に降りていく。水田や工場、住宅という景色になり、住宅が増え、藤田。降りる人もいるが、乗る人の方が多い。福島の都市圏に入ったということである。水田の中に住宅という景色になる。新幹線が並行する。林があるが、その中に、商品用の松を育てているような感じのところがある。住宅が増え桑折。新幹線が壁を挟んで地上を走っていたが、すぐに高架になる。住宅地から、マヨネーズ工場になり、水田となる。離れて住宅が多い。新幹線がオーバークロスし、並行したところで伊達。

 伊達を出ると、まだ新幹線と並行する。並行する新幹線の高架が高くなったところは、道路が在来線をオーバークロスしているところである。その上を新幹線が通っている。川を渡り住宅が増える。工場の向かいで東福島。水田と住宅の中を走り、一旦新幹線と別れる。川と別れ、住宅が増えるが、左側は山が近いところを走る。その山が離れていき、新幹線がその山から出てくる。山形新幹線の高架橋も現れ、市街地となり福島に到着する。

●福島で

 意外と早く着いてしまった。とりあえず、駅で夕食を食べ、それからカプセルホテルへ。それも結構駅に近い。結局明るいうちに宿に入ってしまった。風呂も広くないし、例によって寝ることしかすることがない。ちょっと時刻表を見ながら遊んだりしているうちに寝る。寝るときはほとんどのカプセル、空室であった。ほかに2〜3人しかいないような感じであった。しかし朝になって起きてみると、満員であった。


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